2022年04月12日

触察&ボディワークメール講座【自閉症の言語世界とボディワーク】より

久しぶりの投稿となります。
長らく文章を書いていないと、語彙力が失われていくことに危惧を感じます。
今回は、4月1日に配信したメルマガを紹介させていただきます。
ボディワーク関連のさまざまな事柄について、その時々での発見を題材にして書いています。
お読みいただき、面白そうだなと思われましたら、メルマガ登録をお願いいたします。
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触察&ボディワークメール講座
【自閉症の言語世界とボディワーク】〜ボディワークの限界と可能性〜

クライアントさんが読んでも面白く、ボディワークに興味がある方にとって有益なメルマガにしようと日々、健闘の最中です。

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【言語とボディワーク】
ボディワークはなぜゆえボディワークなのか。
筋膜リリースとどう、異なるのか。
このメルマガは「狭義のボディワーク」について情報発信することを目的としていますので、今回は、ボディワークの要のひとつである「言語」について最近考えたことを、発信してみたいと思います。


【ブックフェアで出会った本】
チチカカコフェアは有名出版社6社共同で行われるブックフェアです。
筑摩書房「ちくま学芸文庫」、中央公論新社「中公文庫」、KADOKAWA「角川ソフィア文庫」、河出書房新社「河出文庫」、講談社「講談社学術文庫」、平凡社「平凡社ライブラリー」の各レーベルの編集長が強く推薦する書籍を集めたブックフェアです。
教養を高めるための四部門
「思想:じぶんで考える」
「社会:みんなで生きる」
「歴史:過去と対話する」
「自然:万物の理(ことわり)を知る」
が書店の一角のコーナーで展示販売されます。
ご存じの方もいらっしゃると思います。

今年はその第七回目でした。
常に仕事のことばかり考えていて、つい仕事に関する書籍ばかりを購入してしまいます。
ああ、こうして「本当に自分の好きなもの」が分からなくなっていくのだろうと嘆かわしい気持ちが頭をよぎりましたが、仕事に関連しつつもおもしろいと思える本は、書店に立ち寄る度に見つけます。
チチカカコフェアで購入したのは2冊。
そのうちの一冊が
『自閉症はつがる弁を話さない』松本敏治著 角川文庫(初版令和2年9月)
少し後で読み始めた本が(大抵は2冊、同時進行で読書します)
『「わたし」をめぐる冒険』浜田寿美夫 洋泉社 
『「わたし…」』は小川隆之氏の蔵書です。
2005年初版の『自閉症はつがる弁を話さない』に、松本氏と意見を同じくする文章が、偶然にもはっきりと書かれていました。

「わたしの知っているかぎり方言を使う自閉症のこどもはいません」

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【自閉症の世界と言語】
浜田氏は京都大学大学院を経て奈良女子大学で教鞭をとる発達心理学、法心理学、供述分析の専門家です。
『私をめぐる冒険』は、章ごとにその専門分野に関連する知識であふれ、実例も多く挙げられており、読んでいて楽しく、読了後は心地よい知識の重みが残ります。

さて、一部を著書から抜粋しつつ、自閉症について読み進めます。

赤ちゃんは言葉を発する前から声で親を呼ぶことができる。話し言葉は相手に対する働きかけや訴えに端を欲するもので、本来自分と相手の身体につき沿うかたちで登場するとし「しかし、自閉症の子はそこが苦手」であり「彼らには肉体を持った他者がいない、あるいは希薄なのです」と述べています。
例)相手に「本があるよね」と語りかけるべき場面で「本がある、本がある」と終助詞を繰り返す(方言の話を少しすると、方言はこの語尾・終助詞に特徴がある。〜だぎゃ、〜だっちゃ、〜だべなど。終助詞がうまくつかえない自閉症者は方言も苦手である)

浜田はまた「場面に貼りつくことば」と表現する終助詞の反復についても述べており、自閉症者は終助詞「〜したいですか?」「〜したい?」が理解しがたいために記憶に残る場面の言葉を繰り返す傾向にあると解説しています。
例えば、自分からミルクが欲しくなった時に、ミルクをくださいという代わりにミルクをもらったときに聞いた言葉「ミルク欲しいですか?」や「ミルク、欲しい?」を繰り返してしまう傾向にあります。
帰宅したら自ら「おかえり」というのも同じ理由からです。
浜田の優しく客観的な立場は「自閉症が自分と相手の立場を混同しているというのなら、その前に私たちが視点の交換を無意識に行っていることの不思議さに着目したほうが良いと思います」と締めくくっています。

【ボディワークに限界はあるか】
自閉症関連のこの二冊を読み進めながら、はたと考えました。
主客を行きつ戻りつしながら、自らの経験をつぶさに観察するボディワークは果たして万人むけなのだろうか?
ことばのコミュニケーションに重きを置くのであれば、どのような対話が必要となるのであろうか?
自らの身体に対する独自の世界観(私という概念と私という空間/範囲)をもつ人たちはそもそも私たちと異なる快・不快の世界観をもつのではないだろうか?

このメルマガでは、あくまでボディワークに関連する事柄に範囲を限定し、方言については触れず、自閉症の方々のコミュニケーションの方法と、そうした方々とのセッションの可能性について考えてみました。

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4月1日は世界自閉症デーでした。
知り合いの自閉症の方は驚異的な記憶力の良さで、その方が関わる全員のスケジュールを(聞いただけで)覚えています。職員Aさんの出勤日はいついつ、Bさんはいついつで、Cさんは週何日、Aさんは週合計△時間お仕事をします、Bさんは△時間ですが〇月〇日はお休みです、など。
あの記憶力が私にもあれば、と羨ましい気持ちでいっぱいになりました。


*斎藤個人セッションのお申込み、新宿オフィスアクセスのご案内*
ご希望のセッションと、ご希望日を第三希望までお知らせください。
申し込みフォーム http://www.rolfingopenpath.com/contact-w79gg
斎藤瑞穂公式サイト http://www.rolfingopenpath.com/
※日曜日は講座のためセッションはお休み、月曜日は定休日です。
2022年度、ロルフィングのセッションは承っておりません。
解剖学に詳しく単発で受けられるオープンパスメソッドへのお申し込みをお待ちしております。

posted by MSaito at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディワーク

2021年10月08日

肩周り不快感攻略セミナーやります

必要な部位だけ集中して参加したいという声に応え、肩周り不快感攻略セミナーを行う運びとなりました。
触察、筋膜の張力調整+リリース、ストレイン/カウンターストレインでの構成です。
単発参加も可能です。

sg2.jpg

PhaseII(筋膜の張力調整+リリース)、 PhaseIII(ストレイン/カウンターストレイン)の参加条件は「触察ができる方」となっていますが、テストがあるわけではなく自己申告制ですので遠慮なくご参加ください。

Phase I
【肩周りの施術に特化した触察】
Phase II, Phase IIIで行うリリース法(筋膜リリース、ストレイン/カウンターストレイン)に特化した触察を行います。

肩甲帯の骨指標+肩甲骨に付着する14筋の触察+関連する神経

<骨部(骨指標)の触察>
肩甲骨上角、棘三角、内側縁、下角、外側縁、関節下結節、肩甲棘、肩峰、肩峰角、肩鎖関節、胸鎖関節、小結節、大結節、結節間溝、小結節陵、大結節陵

<筋肉の触察>
棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋、大円筋、広背筋、大・小菱形筋、肩甲挙筋、僧帽筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、烏口腕筋、前鋸筋、三角筋(増える可能性あり)

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開催日時:2021年10月31日(日曜日)
11:00−18:00(1時間休憩あり)
対象者:触察が初めての方、触察の復習をしたい方


PHASE II
【筋膜の張力を利用した分析とリリース】
筋膜リリースの基礎的なテクニックに加え、筋膜の張力を利用し、不快な部位の分析・リリースを行います。
また、短時間で広範囲に筋膜を緩める方法を習得します。
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筋膜リリースといっても、ロングストロークを使うテクニックではありません。
短縮や拘縮のリリースはもちろんですが、解剖学的な連鎖を意識したリリース練習を行います。

姿勢分析を行わずとも筋膜の張力から不具合の場所を割り出し、適切な手技でリリースを行います。
全身を覆う浅筋膜の操作も同時に行いますので、短時間で広範囲にリリースができます。

実践で利用できるテクニックのみをお伝えいたしますので、参加の次の日から活用いただけます。

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開催日時:2021年11月7日(日曜日)
11:00−18:00(1時間休憩あり)
対象者:肩部の触察が可能な方、全て。
短い日程で効率的に技術を習得するため、このセミナーは、Phase I の触察ができる前提で行います
不安がある方は触察セミナーからお申込みください。


PHASE III
【ストレイン/カウンターストレインテクニック】


触察を基礎として、ストレイン/カウンターストレインを行います。
起始と停止を近づけて、筋肉全体をたわめることが、テクニックの基礎になります。触察を学び、コツを覚えてしまえば、簡単に痛みの解消が可能になります。

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開催日時:2021年11月7日(日曜日)
11:00−18:00(1時間休憩あり)
対象者:肩部の触察が可能な方、全て。
短い日程で効率的に技術を習得するため、このセミナーは、Phase I の触察ができる前提で行います
不安がある方は触察セミナーからお申込みください。


PhaseI (触察)一般 22,000円 正会員(復習)11,000円
Phase II (筋膜張力の調整+筋膜リリース)一般22,000円 正会員17,600円
Phase III (ストレイン/カウンターストレイン)一般・正会員 26,400円
Phase I + II (触察+筋膜張力の調整+筋膜リリース)一般44,000円 正会員28,600円
Phase I + III (触察+ストレイン/カウンターストレイン)一般48,400円 正会員37,400円
Phase II + III (筋膜張力の調整+筋膜リリース+ストレイン/カウンターストレイン)一般48,400円 正会員44,000円
Phase I+II+III (全3日間)合計金額から5%割引

お申込みはランディングページからお願いいたします。
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2021年09月30日

メルマガコンテンツはいろいろです

さて、ブログの更新がまたしても久々になりました。
先日、楽天ブログで知り合った長年の友人と長時間おしゃべりをし、再びブログを書こうと思い立ちました。

明日はメルマガ発行日の1日(月2回、1日と15日発行です)ですので、それに合わせてメルマガから抜粋してみました。

メルマガのタイトルは「触察&ボディワークメール講座」で、書いている側としては、一貫して「ソーマ=soma」について触れているつもりですが、脳科学であったり、建築や音についてだったりと多岐にわたります。

今回は、今年最初に小川隆之氏が書いたメルマガをご紹介いたします。

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触察&ボディワークメール講座
【堀口恭司の「カーフキック」を解剖学的に解説!】
―RIZIN「朝倉海vs堀口恭司」の一戦から―

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本日は、小川隆之が担当しました。
最後までお読みいただければ幸いです。


【解剖学の前に知るもの】
本年第1弾のメルマガですが、話題はボディワークではなく格闘技です。

大晦日、テレビで観たRIZINの試合、なかでもメインイベントの「朝倉海vs堀口恭司」の一戦が強く印象に残りました。

堀口選手がこの試合で多用した技なのですが、「カーフキック」というのを初めて知りました。

ネットで検索してみると、今、格闘技界で流行しているそうです。

「カーフ」は「ふくらはぎ」の意味なので、カーフキックはふくらはぎを狙う蹴り技です。
私は空手の経験者ですが、私が習った空手の流派では、ふくらはぎを狙うのは、「足払い」といって、相手の足を払って転倒させるときくらいでした。

カーフキックはもともと、総合格闘技界で流行りはじめたようです。
大腿部を狙うローキックよりも遠距離から出せるので、タックルされにくいというのが理由だそうです。

堀口選手のカーフキックで朝倉選手がよろけるのを見て、最初は「え、転ばせ作戦?」と思ってしまいました。

ところが、堀口選手のカーフキックがくり返されるうちに、朝倉選手は戦闘不能となってしまいます。
そして、勝利は堀口選手の手に。

試合が終わって、「転ばせるのが目的でなく、効かせるための技なんだ」とわかって、どう効いたのかと興味がわいてきました。

というわけで、本年第1弾のメルマガだというのに、話題がボディワークではなく、格闘技になってしまいました。
申し訳ありません。

ただ私は、格闘技に関しては、経験が少しあるだけの素人ですので、攻防とか試合運びとかはそれほど
わかりません。
ですから、カーフキックの「効き具合」に限って書きたいと思います。
それも、「戦術的にどう」とかでなく、やはりオープンパスのメルマガですので、解剖学的観点にしぼって書いてみます。
格闘技が嫌いでも、わからなくても、大丈夫な内容にできればと思っています。


【下腿の解剖学 】

カーフキックが下腿のどこにヒットし、どう効くのかを知るためには、下腿の解剖学がわかっている必要があるでしょう。
そこで、膝下から足首までの骨組みと筋肉の付き方を調べましょう。

骨は2本あります。
どちらも長い骨ですが、「脛骨」(すねの骨)という体重を支える太い骨が内側にあり、「腓骨」という細い骨が外側にあります。
細い骨のほうは、体重を支えることには関わっていません。
ただし、「腓骨神経」という神経(総腓骨神経→深・浅腓骨神経)が、腓骨頭(腓骨の最上部)のあたりでは、表層近くを走行しています。

2本の骨を「骨間膜」という膜状の組織がつないでいて、これら2本の骨と骨間膜に筋肉が付いています。

筋肉は4つのコンパートメントに分かれています。
前にあるコンパートメントを「前部コンパートメント」、
外側にあるのを「外側部コンパートメント」
と言います。
そして後ろ側は、浅い部分と深い部分に分割されていて、それぞれ
「後部浅層コンパートメント」
「後部深層コンパートメント」
と言います。

前部コンパートメントは、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋が、
外側部コンパートメントには、長腓骨筋、短腓骨筋が、
後部浅層コンパートメントには、腓腹筋、ヒラメ筋が、
後部深層コンパートメントには、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋が入っています。

以下の図を参照してください。

original.jpg

【カーフキックの軌道 】
堀口選手のカーフキックは素早く強烈で、タイミングもよく、4発のヒット(私が見逃していなければ)で朝倉選手を戦闘不能にしました。

下腿の骨組み、そこに付いている筋肉を前記しましたが、それらのどこにカーフキックがヒットするかを予測するためには、その軌道を知ることが必要でしょう。

堀口選手と朝倉選手は、どちらもオーソドックスで(左足を前にして)構えます。
堀口選手は右足で、朝倉選手の左下腿を狙います。

そうなると、堀口選手のカーフキックは、反時計回りの軌道で朝倉選手の下腿の外側にヒットするでしょう。
朝倉選手の左足(前にある足)は、少し内側に向いていますので、予想としては、堀口選手のキックは、
朝倉選手の腓骨と、外側部コンパートメントの筋肉か、後部浅・深層コンパートメントの筋肉にヒットする
でしょう。

ですから、打撃を受けるのは、骨でいうと腓骨、筋肉でいうと長・短腓骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋、長母趾屈筋、後脛骨筋でしょうか。
(加えて、腓骨神経にも留意しておいたほうがよさそうです)

【実際には、どこに被弾した? 】
さて、実際にはどこに「被弾」したでしょうか。
4発のカーフキックがヒットしたのですが、1発ずつ確認したいと思います。
興味があれば、実際の映像がYouTubeにアップされていますので、観てみてください。

【1発目】
1発目は、堀口選手の足首あたり(たぶん、距舟関節あたり)が、朝倉選手の腓骨頭あたりにヒットして
います。
被弾したのは、腓骨と長腓骨筋でしょうか。
また、総腓骨神経にも影響があったかもしれません。

ただしヒットした際、朝倉選手の体重が左足に乗っていなかったので、朝倉選手の左下腿は内側にはじかれ、朝倉選手はバランスを崩します。
それによって、キックによる打撃力はだいぶ緩和されます。

【2発目】
2発目のキックは、少し深めに入ります。堀口選手は、脛骨下部でキックしています。
映像を観ると、脛骨による打撃は、下腿に吸収されるというより、下腿そのものを強く移動させる力と
なっているように見えます。
大腿へのローキックであれば、もしかすると大腿そのものにダメージを与えたかもしれないと思いました。

ヒットした部位は、1発目と近い部位で、朝倉選手の腓骨頭の高さです。
この部位を狙っていたとすると、総腓骨神経あたりをターゲットにしていた可能性もあります。

朝倉選手の体重は1発目のときよりも左足に乗っていましたが、堀口選手のキックが脛で押し込むような蹴りになってしまい、それが幸いして、朝倉選手の左足は再び内側へはじかれ、打撃力は下腿に吸収されませんでした。

被弾したのは、やはり腓骨と長腓骨筋だと思います。

【3発目】
3発目のキックは、腓骨の低い位置(たぶん、半分より下あたり)にヒットしています。
朝倉選手の体重が左足に乗った瞬間にうまい具合にヒットしているのですが、ヒットした位置が低かったためでしょうか、朝倉選手は足をすくわれるように膝をつきました。
それにより、ある程度は、キックの打撃力を殺すことができたようです。

ただし、3発目の後から、朝倉選手の左足の移動距離が少なくなっているように見えます。
また、左脚にかかる荷重が内側に寄ってきているように見えます。
3発目の被弾は、腓骨と長・短腓骨筋でしょう。
腓骨筋群がダメージを受けたのかもしれません。

ちなみに3発目では、堀口選手は、右足の内果から舟状骨あたりを使ってヒットしています。

【4発目】
4発目のキックが放たれたとき、堀口選手は朝倉選手の正面に位置しています。
それで、堀口選手のキックは、朝倉選手の脛骨粗面から頸骨外側顆あたりにヒットしています。

これまでの3発は腓骨付近ですが、この4発目は脛骨上部にヒットしています。
しかも左足に体重が乗った瞬間に、その体重を支える脛骨にヒットしています。

被弾した部位も、脛骨の高い位置で、膝直下の前面に近い外側面ですので、足が内側にはじかれて足底が浮くこともなく、朝倉選手の左脚は打撃をしっかりと受け止めてしまします。
また、床反力も加わり、かなり強烈な打撃となったはずです。

被弾位置を詳しく見ると、脛骨粗面、脛骨外側顆の他に、ガーディ結節(腸脛靭帯の付着部)にもヒットしているようです。
ですから、腸脛靭帯や大腿筋膜を通して大腿部にも影響が及んでいるかもしれません。
筋肉でいうと、前脛骨筋や長趾伸筋などにもダメージがあると思います。

ちなみに、堀口選手の舟状骨内側部、舟状骨粗面の少し上の硬いあたりがヒットしているように見えます。
なおかつ、これまでの3発よりも足首のスナップが効いた、素早いキックになっています。

【おわりに 】
格闘技ファンであれば、堀口恭司だけでなく、朝倉未来、朝倉海、那須川天心といったビッグネームが出場したので、このRIZINのイベントを観られたかもしれません。
そして、今回のメルマガを読まれて、こんな見方もできるのだなと思ってくださったかもしれません。

しかし、格闘技に興味をお持ちでない方々には、あまり面白くなく、イメージしにくい内容だったかもしれず、申し訳ありませんでした。

次回は、皆様にもっと興味をもっていただける内容にいたしますので、これに懲りず配信をお待ちくだされば幸いです。

https://www.youtube.com/watch?v=osxRYKeoWTo&t=283s
朝倉海VS堀口恭司 対戦

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
長文を読むのは苦手という方もいらっしゃるかと思いますが、さらっと読み流した後で対戦動画をみていただくと良いかもしれません。

興味をおもちいただけましたら、メルマガのご登録もご検討ください。
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2021年07月23日

ボディワーク&ソマティクスを考える会

どうやら今日は、東京オリンピック開催当日だったようです。
オフィスにおいでくださった方が「何があるんだ?と思ったらブルーインパルスが飛んでいきました!」と教えてくださいました。
見逃してしまって残念ですが「一生に一度」の瞬間は毎秒あると思いなおし、残念気分を吹き飛ばそうとしてみました。

さて、本日は「ボディワーク&ソマティクス勉強会」通称「ぼでぃそま勉強会」の初日でした。

この回は「コアなボディワークの定義と、共存のための差異化」を目的とし、ソマティカルなボディワークを探求する会として発足しました。
そして、本日が第一回目となりました。

初日にふさわしく、前半は、自己紹介や、会の運営方針についてコンセンサスを得るようなディスカッションとなりました。
ちなみに参加者の層も年齢層も様々で、専門分野で分類するのであれば、ボディワーカー、整体師、ピラティスの専門家(先生の先生)、パーソナルトレーナー、エサレンマッサージのプラクティショナー、キャリアカウンセラー、武術家、コーチ、マッサージセラピストなど、多岐にわたりました。
どなたも「コアなボディワーク=ソマティクス」に興味をお持ちくださり、今後のご自分の活動を更に発展させていくことも視野に入れてくださっている方々です。

今回の議題は
「ソマティクスの定義についての考察」
で、もちまわりで行う発表者はわたし(斎藤)でした。

レジュメは
1.現在のボディワークは多様を極める
現在「ボディワーク」「ボディーワーク」と表記しているテクニックについて

2。歴史的観点からみたボディワーク
somaという言語について歴史的、文化的な側面から理解を深める

3.ボディワークを再定義する意図
共存のための差異化として、ソマティクスに必要不可欠な4大要素

4.ソマティクスの可能性
<ソマティクス(狭義のボディワーク)>が担っていけること

主に上記の4点について発表をしました。
結果として50分近い発表をしてしまいましたが、ご参加の皆様に熱意が伝わったとしたら嬉しい限りです。

ZOOMを介してのセミナー(正式なもの)は慣れない体験で、ファイルの送信ができない、ファイルの共有をしたくてもデスクトップのファイルが表示されないなどトラブルがありましたが、ご参加の皆さまの協力により無事に終了することができました。

ぼでぃそま勉強会は営利目的ではなく、有益な情報を共有する会として発足し、今後もその趣旨はぶれることなく継続したいと願っています。
そのため、現時点ではSNSを介しての不特定多数の方々への大々的なプローチは避け、信頼に基づいた仲間づくりをしています。
閉鎖的になるつもりはありませんので、次回はこのブログを読んでくださっている方にもお誘いのメールやDMが届くかもしれません。

その際にはぜひご参加ください。

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2021年07月07日

小川さんの「解剖学から読み解く手相」

毎月1日と15日(2020年3月〜2021年6月までは月に3日でした)に発行しているメルマガは、タイトルこそ「触察&ボディワークメール講座」としてありますが、書き手が興味をひかれたことについて、さまざまに書いています。

5月には、小川さんが「解剖学的観点から、手相を考えてみた」文章を書いていました。
とても面白かったので、以下にご紹介いたします。
長文ですが、解剖学をご存じの方はじっくりとお読みください。

**********************
手相1.jpg


【突然ですが、占っていいですか?】

コロナによる緊急事態宣言がたびかさなって、仕事以外ではあまり外出せずに、自宅で過ごすことが多くなり、毎日がテレビ浸け、ネット浸けの状態です。
こんなときこそ、本を読んだり、何か勉強でもするチャンスなのですが、残念ながらそんな気持ちが起きてきません。

じつは今、「突然ですが、占っていいですか?」というテレビ番組に夢中で、オンデマンドでくり返し観ています。
けっこう人気番組だそうなので、観たことのある方々も多いかと思います。
ちなみに私は、その番組に出演する、星ひとみさんという占い師のファンです。
星さんは、かなり細かいこと、個人的なことまでピタリと当ててしまいます。

今回は、メルマガに何を書こうと悩みに悩んだ末に、今いちばん気に入っている、この占い番組にちなんだ内容にしようと思い立ちました。
というか、それしか浮かばなかったというほうが正直なところかもしれません。

さて、手相について書いてみたいと思います。
とは言っても、私は占い師ではありませんから、皆さんの運勢を占ったり、今後のことを言い当てたりはできません。
そこで、手相について、解剖学的な観点から何か話したいと思います。


【手のひらのシワから運勢を読みとる】

手相というのは、手のひらに刻まれたシワからできています。
では、そのシワはどうやってできるのでしょうか。

手のひらは、やわらかそうに見えますし、触ってみてもそう感じますが、じつはかなり固く、しかも厚くできています。
私たちが行う行為、作業のほとんどは、手を使います。
パソコンを使ったり、料理をしたり、ラケットをにぎったり、物を持ったり、運んだり。
そうした動きをくり返すうちに、赤ちゃんのころから元々あった、うすく単純なシワが、固くなり、厚くなって、そのぶん深く刻まれ、しかも個性的になっていくのです。

手相占いというのは、このようなシワから、その手の持ち主の運勢を読みとることでしょう。

手相1.jpg

【手相主要4線】
手相には、主要な線が4本あるそうです。
感情線、頭脳線、生命線、運命線の4本です。
これら4本について、解剖学的に考えてみたいと思います。


【感情線】

手のひらのシワは、指で物をつまんだり、手で持ったり、握ったりすることで深く刻まれていきますが、感情線はどのような動きに関係しているでしょうか。
動きの説明をしますので、ぜひ皆さんも一緒にやってみてください。

人差し指、中指、薬指、小指の4指を根元から軽く曲げると、感情線が深くなりませんか?
解剖学的に言うと、中手指節間関節(MP関節)の屈曲です。

この動きが感情線に関わっているわけです。

手指の動きに感情が表れることがあり、ノンバーバル(非言語的)コミュニケーションとして、かつ無意識の動きとして、私たちボディワーカーはそれを捉えることがあります。
そう考えると、「感情線」というのは、なんとなく納得です。

【頭脳線】

頭脳線はどういう動きに関係しているでしょうか。
これも一緒にやってみましょう。

感情線のときと同じく人差し指、中指、薬指、小指を、感情線のときより少し深く折ると、感情線に続いて頭脳線が深まってきます。

まず、人差し指、中指、薬指、小指が深く折られると、感情線の深まりに続いて、頭脳線の親指側のシワが深まりはじめます。
解剖学的には、4指(人差し指、中指、薬指、小指)のMP関節が深く屈曲した状態です。

なお4指を深く折ろうとすると、今度は、薬指と小指が少し親指の方向に傾きはじめて、頭脳線の小指側のシワも深まります。
解剖学的に言うと、薬指と小指の手根中手関節(CM関節)の屈曲が加わった状態です。

ちなみに、人差し指と中指のCM関節は不動(固定して動かない関節です)なので、この2指は親指の方向には傾きません。
指がここまで深く曲がると、ノンバーバルコミュニケーション的に言うなら、感情をともないながらも、もう少し強い気持ちが働いて、心のなかで何かを判断したり、評価したりしているかもしれません。
「頭脳」を使っているということでしょうか。


【生命線】

生命線はどうでしょうか?

深く折られた人差し指、中指、薬指、小指に向かって、親指が母指球ごと動いていくと、生命線が深まります。
これは親指のCM関節の動きです。

この動きは、人間特有の指の動きで、解剖学的には「対立」と言います。
この動きがあるおかげで、つまんだり、つかんだり、人間は手指を器用に使えるのです。
感情線を深める動きで何か感情を持ち、頭脳線の動きで決意し、生命線の動きでつかみとる、ということでしょうか。
何か合点がいきます。


【運命線】

最後に運命線ですが、この線はどのような動きで深まるのでしょうか。

生命線でつかんだ手を、小指を寄せるようにして、もっと深く折り込み、安定させると、運命線が深まります。
運命につながるような、安定した、方向性の決まったつかみ方、それが運命線を深める動きです。

手相2.png

【手相学】 

手指は、私たちの身体の中で最もよく動く器官ではないでしょうか。
その人(手の持ち主)に特有な動きをくり返すと、その動きに合うように、少しずつ手のひらのシワが変わっていくでしょう。
そうすると、手相が変わっていかざるを得ません。

手指がどのような動きをするかは、その人がどのような行動をするかに関わっています。
手相占いとは、手とその持ち主との、そのような関係に関する情報を、長い年月をかけて収集、蓄積し、体系化した学問なのかもしれません(私の話は、ちょっとこじつけじみていましたが)。

【おまけ:主要線の深まりの例】

◆ごく小さな物をつまむときには、親指と人差し指が向かい合う形で動き、頭脳線の親指側と生命線が深まる。

◆小さめの物をつまむときには、母指に対して、示指と中指が向かい合う形で動き、感情線の親指側と頭脳線の親指側、生命線が深まる。

◆重みのある、大きめの物をつかむときには、母指に対して、示指、中指、環指、小指が向かい合う形で動き、感情線、頭脳線、生命線が深まる。

◆重めのある、棒のような形の物を握るときには、母指に対して、示指、中指、環指、小指が向かい合う形で、かつ環指、小指に
他の指より力をこめて動き、感情線、頭脳線、生命線、運命線が深まる。





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ご希望のセッションと、ご希望日を第三希望までお知らせください。
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posted by MSaito at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事全般
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