2日間開催で、初日の参加は叶いませんでしたが、2日目は9:30−16:30までどっぷり野田アドラーに浸ってきました。
アドラー心理学は、「心理学」に分類されていますが、多くの参加者の方にとっては「善く生きるための生き方指南」となっているのではないかと思います。
アドラー的に生きるということは「すべきでことをし、すべきでないことはしない」ことであり、すべきであるかどうかは情緒的な判断ではなく道徳的な判断に基づいています。
道徳というのは、命や財産に変えてでも(それを失おうとも)守らなくてはいけないものです。
それは人としての尊厳だったり、家族であったり、救済しようとする心だったりするのだと思います。
科学の発達により私たちの生活は便利になりましたが、道徳より金銭的な豊かさが善となってしまった歴史があります。
この世の中を「善い場」に変えていくためには、意図的に「大衆」へと陥らないよう注意深く選択をし続ける事だと野田先生は言います。つまりは「情緒に乗せられて右往左往するなかれ」と自らを律して生きなくてはいけないのですが、ムード=大衆がその時代その時代で「社会的な約束」を作っているのですから(30年前には渋谷のハロウィーン騒ぎなど皆無でした)それに反して生きていくというのは「変わった人」というレッテルを張られることを辞さない意思が必要そうです。
さて、今回の講義は非常に濃い内容でしたので、かいつまんでお伝えしたいと思います。
初めにアドラー心理学として存在していた思想を、アドラーのお弟子さんが5原則に分割したのが「基本前提」です。
1.個人の主体性
2.目的論
3.全体論
4.社会統合性
(5.仮想論)
この5つが全体を作り上げることによりアドラー心理学が立ち上がります。
アドラー心理学を深く理解するためには、心理学の移り変わりと哲学を理解する必要があります。アドラー自身はカント哲学や、ニーチェの無神論などにも影響を受け、また1900年代の心理学者(マイクロカウンセリングのアルバートエリス)などに影響を与えました。
アドラーの心理学者をアドレリアンといいますが、第一世代(アドラー自身)から現在の第四世代のアドレリアンはその時々で哲学や心理学の理論を取り入れながらアプローチ法を練ったようです。
第四世代(野田先生の世代)は構築理論世代で、ナラティブアプローチ(患者やクライアントとの会話が中心となる。非線形であり、原因結果論と直結させない)が主流となったようです。
まだまだお伝えしたいことはたくさんあるのですが、あと一つだけ。
アドラー心理学はその人の気質を「性格」とはいわず「ライフスタイル」といいます。
性格のように変えにくいものではないという意味合いがそこには込められています。
習慣的な選択を変えることができれば、ライフスタイルは変わる、それほどに柔軟性があるのがライフスタイルです。
人間の細胞は生まれ変わるが脳細胞は生まれ変わらない、と言われますが、その脳細胞ですら分子レベルでは入れ替わっているそうです。
私たちは変化を起こすことなく生命を維持することはできない、生きていけない。
そう思える瞬間を実感できたらいいのにと思いつつ(やはり瞑想でしょうか…)今日はここまでで終了としたいと思います。

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11月4日スタートの「一から始める触察解剖学」は単発参加も可能です。
11月から2月まで、月に2回のゆっくりペースで行います(11月のみ3回)。
11月―4日、11日、25日
12月―9日、23日
1月―13日、27日
2月―10日
全8回、水曜日18:00−21:00です。
「一から始める触察解剖学」
開催日時:水曜日の夜間(19:00−21:00)
会場:オープンパス・オフィス(東京都新宿区西新宿4−32−4)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
全8回参加の方/1回6000円、48000円+消費税
単発参加も可能。日時、金額の詳細はこちらでご確認ください。
http://rolflingopenpath.sblo.jp/article/164099027.html
皆様のご参加を楽しみにお待ちしております!
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