2015年01月24日

交通事故後のケア

自転車走行中に事故にあわれた方からセッションのご依頼をいただきました。
停車中の車のドアが突然に開けられ、胸部をぶつけてしまったそうです。
救急車で病院に移送されたものの骨折は無く、数日の通院で日常生活に戻ったそうです。

構造を確認させていただいたところ、ぶつけた側の肩鎖関節が遠位に(頭方に)ずれており、それに伴い第一、第二肋骨の並びもずれていました。
以前同様のケースを扱ったことがありますが、その時は完全に「亜脱臼」状態でギプスで鎖骨が固定されていたため、ギプスが取れるのを待ってのセッションとなりました。
その間は上腕、前腕、肩甲帯が三角帯で動かせない状態になっていて、ご本人も大変に辛そうでしたがその後のセッションには時間がかかり大変だったことを記憶しています。

今回は脱臼までに至らなかったため、肩鎖関節、胸鎖関節とそれに隣接している骨組織を支えている軟部組織をリリースすることで本来の位置へと関節を戻し、ずれてしまった骨群(前、中斜角筋他)に付着する筋肉群の張力を整えることで肩部の緊張は大きく軽減しました。

クライアントさんご自身が身体に対する意識が高く、また解剖学の知識もあるため、イメージや体性感覚を利用しつつセッションできたことが成功につながったのだと思います。

今回に限らず思うのは、不具合が起こった場所のみへの対処では不十分なケースがほとんどです。
身体全体が膜張力のバランスをうまく取りながら構造や機能を司っている、それを忘れずにセッションをしなくてはいけないと改めて思いました(特に疼痛緩和のテクニックは局所的なアプローチになりがちなので初心に戻る必要をいつも感じています)。

クライアントさんが「セッションを受けよう」と思ってくださった気持ちに応えられるよう、日々精進したいと思います。

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2014年12月16日

疼痛解消テクニックの習得

『ボディワークは痛みを扱わない』『痛みを扱う方法はボディワークとは呼ばない』

オープンパスも数年前はこうしたスタンスでセッションを行ってきました。
ボディワークのトレーニングでは病理を扱わず、病理に関する知識は皆無のままで資格を取得し仕事としてロルフィングを開始したから、というのが理由のひとつです。
言い訳のようにして「痛みは扱いません」「病理についてはトレーニングで教えられませんでした」と言い続けた日々を思い返すと、なんと幼稚でプロ意識に欠けていたかと顔から火が出る思いです。知っていて扱わないのと、知らないことを言い訳にすることは全く違います。

ロルフィング(ボディワーク)を続けてきて実感するのは、クライアントさんの主訴の陰には痛みや不快感が隠されているということです。
ロルフィングに関する知識をお持ちのクライアントさんは、決して痛みを口にしませんが、実は痛みを感じていたり潜在的に慢性的疾患を抱えているケースは少なくありません。

現状として、クライアントさんの多くが訴える慢性疾患(慢性的な不快感)は病理としては扱われていません。
医療の現場でも病理として扱われない場合がほとんどで、訴えに対する対処は湿布や痛みどめが中心です。

慢性的な疼痛を研究して理解できたことは、痛み構造と身体構造との関連/非関連でした。
姿勢を正せば痛みがなくなる(しかも、結果としてなくなる可能性がある)という説明で高額なセッション料金をお支払いただくことに対する嫌悪感を感じながらセッションをしてきた日々がありました。
あることがきっかけで姿勢(構造)を無視し「重力と和解した状態が適切である」考えを放棄したとき、新たな発見が次々と現れました。

まずは痛み構造があり、それに次ぐ身体構造がある、それが疼痛にを扱う対処の第一歩でした。
そうした経緯があり、オープンパスメソッド(R)身体教育研究所が主催として行う初回の「インテグレーティブボディワーカー養成トレーニング」では疼痛に対する対処法を伝え始めました。

参加者が奇数のため、私はアシスタントとして受講生の方々とペアを組みますが、この行程で「知ったかぶり」をすると全く何も得ずにトレーニングを終えることになってしまいます。
新たなことを学ぶときには(私も最近新しいことを学んでいるのでその難しさとその有用性を痛感していますが)まっさらに、できないことは素直にできないと助けを得ながら進む必要があることを客観的に実感しています。
また、知識と技術は積み重ねでしか身につかず、付け焼刃で使える技術が欲しい参加者の方にとっては習得が困難な内容であることもあらかじめお伝えしておきたいと思います。

トレーニングの詳細についてはメイン講師の小川隆之氏のブログをご参照ください。こちらです
ボディワークと疼痛改善のテクニックについてご理解いただけると思います。

追って動画をいくつかアップする予定です。
ご興味をお持ちいただけましたらご覧いただければ幸いです。

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2014年10月30日

大腿部の触察(補講における触察のコツの伝授)

昨日は第九期パルペーショントレーニングの補講を行いました。

補講を請け負う際には、対象筋の触察を終了させること「以上」のゴールを設定して臨みます。
今回は、対象筋の触察を行うことに加えて、触察と解剖学、触察と解剖用語、触察と体性感覚を連動させることを目的として補講をスタートさせました。

メイン講師の小川が再三お伝えしているように、ポジショニングはとても大切です。
ポジショニングの如何によって触察の正確さが決まるといっても過言ではありません。
焦らずポジショニングがうまくできているかを確認する時間を持ち(わずか3秒)、広い視野を獲得したのちに触察を行うのがコツです。
今回の補講ではそれを痛感していただけたと思います。

触察は、心構えです。
目的に向かって自分を形作り、些末なことより先に目を向け、感覚を信じて素早く動く。
これが大切です。

この心構えをゆるぎなくさせてくれるのが、先に挙げた「触察と解剖学、触察と解剖用語、触察と体性感覚」の理解と実感です。

さて、対象筋は四筋で、半腱様筋、半膜様筋、外側広筋、内側広筋でした。
半腱様筋と半膜様筋は筋の走行が違うため、ワーカー側の動きの指示を変える必要があります。
触察は「起始と停止」の理解のみならず、筋の走行とそれを利用したムーブメントと、理解を深める必要があります。

やみくもにムーブメントを覚えても何の役にも立ちません。

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外側広筋、内側広筋の触察は、筋を辿る手の向きと姿勢の保持にあります。
それさえ確実にすれば触察は難しくありません。

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ご質問いただいたエア・パルペーションですが、私個人の理解としては起始から停止まで筋の走行を間違いなく辿るというよりは、腱の感覚や筋腹の押し返し、コンパートメントの感じや骨の触感などを連想することによってシュミレーションができることが最大の利点なのではと考えています。

細かいコツをたくさんお伝えしましたので、消化すべく頑張ってください。
Oさん、パウンドケーキの差し入れをありがとうございました!!!うれしかったです!
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