こうした場所を名指すのに、人間の言葉はほとんど不足している。言葉によってはじめて見出された場所ではなく、言葉とともに出現した場所でもない。こうした場所を、「体験的現実」と呼んでおく。この場所は、名指されているものに対して、かすかすの網をかけるようなものである。だが粗略な網でも、投げかけなければ、なに一つ始まらない現実がある。体験的現実は、知にとっては底なしの深さを持っている。わかる以前に実行できている現実がある。呼吸の仕方も、肌の滑らかさの感じ取りも、教えられてはじめて実行できるようになったものではない。学ぶ以前にすでによく知っており、実行できるのである。
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なんと優しく挑発的な誘いの文章なのかと、何度読み返しても思ってしまうこの序文。
このいざないを何度も受けながら、少し先に進み、途中で投げ出すこと複数回。
知りたい気持ちが現実の忙しさに邪魔されているのか、私のオツムが弱いのか(たぶん後者)。
「わかったと思った時点で、それは間違いだ。これからやることは、前例のないことなのだから、既知のものとの比較や近似を利用してわかった気になるな!」と何度言われたか。
分からず進むことのむずかしさ。
瞬間、瞬間に新たに、立ち上がることを体験していく。
ああ、難しい。
でも知りたい。
やっと準備が整った、そんな気がします。

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