2018年04月09日

伝統か文明か(きものについての読本)

やりたいこととやらなくてはいけないことのバランスを取るのは難しいです。
知りたいことがたくさんあっても、そのために使える時間が限られているし、みなさんどうやってそのあたりの調整をしているんだろうと、よく考えます。
通勤電車に乗れば途端に眠くなり、ゆっくり本を読むよりもメールの返信をしてしまうものだから、ますます読書離れが進みそうです。
それでも最近、電車の中でかけても違和感のないリーディンググラスをプレゼントされたのをきっかけに、格段に電車内での読書がはかどるようになりました(同時にipohneの画面も見やすくなってしまいました)。

さて、自分の専門外であっても興味をそそられる分野はありますが、手つかずのままです。
世の中の仕組みを全て知るのは不可能ですが、個人事業主はとかく世の中のシステムから離れがちになるような心配があり、視野をなるべく広く持たなくてはと若干の危機感を持って生活しています。
日経新聞など読むほどではないのですが、自分の好きな事をさかのぼっていくと、自分が知らなかった業界について自然に知識がつくことがあります。

最近、すごく面白く読めたのがこの本です。

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『きもの文化と日本』日経プレミアシリーズ

着物業界の今昔について、株式会社やまと代表取締役会長の矢嶋孝敏氏と、経済学者(東京大学名誉教授、学習院大学国際社会科学部教授)である伊藤元重氏との対話形式で綴られています。
このお二人の対話から、戦前と前後の日本の生活様式の変化、きものという生活着や晴れ着の慣習にファッションという見せる文化が這入りこんできた経緯、問屋という流通経路により着物の金額が設定されてきたこと、着物は文化であり洋服は文明であること、希少価値の織物が継続的に生み出される日本という土壌についてなどなど、多角的に経済と文化を知ることができるのです。
特に、きものの流通経路がいわゆるファストファッション化(SPA化)してきていることの功罪(と私は感じました)の部分は考えさせられました。

着物という文化を守ることが大切であれば、遺産や伝統となり生活に根付くことが難しくなる。
手軽さを取り入れれば着物人口のすそ野は広がるけれど、日本人が美しいと感じてきた美意識が西洋化(文明化)、簡略化、粗略化されてくる。
着物がファッションになればその様式は流行りにしたがって変わってくるのは仕方のないことですが、せめて美しく変わっていってほしいなと思いました。

着物は日本の文化であってほしいので、ある程度の決まりごとはあった方が良い、と私自身は思います。
結婚式の晴れやかな日に、花嫁花婿の主役を差し置いて自分を主役にするようなものは「ファッション」であっても「礼儀」ではないと思うのです。言葉にせずとも相手への礼儀を表す、それが着るものの役割の一つではないかと思いました。

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2018年03月01日

着付けと手続き記憶

以前にもこちらに書いたかもしれませんが、着物が大好きです。
ですので、(四捨五入しての)五十肩で手を後ろに回すだけで涙が出るほどの痛みが出て、ちゃちゃっと結べていた帯が結べなくなったときには本当に悲しく悔しい思いをしました。

教室にもよると思いますが、私が通っていた教室(今も時々、通っています)では、講師が着付用のボディーに着付けをするのを食い入るように見て記憶をし、その場ですぐに実践練習をします。
教科書もありますが、読む暇もないし、手順やコツは見て頭の中に叩き込みます。
講師の先生が回ってきて、アドバイスをしてくれたり間違いを正してくれたりします。
見ていると簡単そうなのですが、実際に着つけるのは思いのほか難しく、覚えたては手順をまねるだけで綺麗に着せるのはムリ。
それでも交代して2回ほど練習できるでしょうか。
覚えておきたいことは、帰りの電車やバスの中でノートに書くか、スマホに入力しています。

若いころは、教室で学ぶだけである程度は記憶できましたが、今はそうはいきません。
趣味のおけいこですが、やるからにはきっちりと覚えたいので、自宅には着付用ボディーがあります。
それを使って、礼装の着付け、振袖の帯結びなどを練習しています。
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普通の袋帯を使ったので、横から見たときに柄の無い部分が見えてしまっています…。おはしょりの処理も甘い…

技術を学ぶ時には、実際に体を動かして学ぶと記憶に残りやすいという実感があります。
いわゆる「手続き記憶」という覚え方です。
手続き記憶は繰り返しにより強化され、また繰り返す間に「こうすればより上手くゆく」発見につながります。

さて、オフィスに置いてある母が残して逝った着物は、お陰様で、価値が分かってくださる方々に半分以上引き取っていただけました。
絹は、もともとはお蚕さんでした。だから、着物は生き物なのです。
だからこそ、良いものが欲しいとおっしゃってくださる方に引き取っていただけて幸せです。
あるアーティストの方に引き取られた帯が、百貨店での作品展示会に一役買っているのを見て、とても感慨深く感じました。
実家の箪笥のあの場所にあった綴帯が、大勢の前で立派に輝いているのを画像で拝見して、娘を嫁に出したらこんな気持ちなのかと思いました。

と、着物バカのエピソードをお披露目したところで今日のブログは終了です。

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2017年05月12日

今回は読める気がする…!

 なんども新たに出発しなければならない場所がある。何度も新たに、すべてを捨てて立ち上がらなければならない場所がある。そしてなんども新たに、ただ希望が到来するように行為しなければならない場所がある。それは、迷いはないが、悩みの尽きない場所である。私たちは、すでに呼吸し、湿度を感じとり、唇の渇きを感じ、手の重さを感じ、手のぬくもりを感じ、肌の滑りを感じ、身体のだるさを感じ…(中略)…しかし、よりよい呼吸の仕方、よりよい湿度の感じ方、よいよい(原文ママ)手の重さの感じ方、よりよい肌の滑らかさ、よりよい身体の感じ方はあるに違いない。だがいったいどのようにして。

 こうした場所を名指すのに、人間の言葉はほとんど不足している。言葉によってはじめて見出された場所ではなく、言葉とともに出現した場所でもない。こうした場所を、「体験的現実」と呼んでおく。この場所は、名指されているものに対して、かすかすの網をかけるようなものである。だが粗略な網でも、投げかけなければ、なに一つ始まらない現実がある。体験的現実は、知にとっては底なしの深さを持っている。わかる以前に実行できている現実がある。呼吸の仕方も、肌の滑らかさの感じ取りも、教えられてはじめて実行できるようになったものではない。学ぶ以前にすでによく知っており、実行できるのである。

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なんと優しく挑発的な誘いの文章なのかと、何度読み返しても思ってしまうこの序文。
このいざないを何度も受けながら、少し先に進み、途中で投げ出すこと複数回。
知りたい気持ちが現実の忙しさに邪魔されているのか、私のオツムが弱いのか(たぶん後者)。
「わかったと思った時点で、それは間違いだ。これからやることは、前例のないことなのだから、既知のものとの比較や近似を利用してわかった気になるな!」と何度言われたか。
分からず進むことのむずかしさ。
瞬間、瞬間に新たに、立ち上がることを体験していく。
ああ、難しい。
でも知りたい。
やっと準備が整った、そんな気がします。

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