今回は正真正銘、初だしのテクニックをお伝えするという心構えがあったので、数週間を緊張のうちに過ごしました。
準備期間となったこの期間は仕事に集中しようと、したかったことを控え、読書したい欲望をなだめつつ過ごしました。
メイン講師として担当するセミナーが終了した6月13日からは思う存分に好きな本をむさぼり読もうと決め、若い頃に流し読みしてしまった本、好きだった作家の未読の作品、初めて手にする本などのリストを作り、図書館にリクエストしたり、借りられなかったものは購入したりして準備を整えました。
一昨日からは晴れて、一カ月間の読書月間となりました。
読書は何物にも代えがたい経験です。
日本語に「ひもとく」という言葉がありますが、それには二つの意味があります。
ひとつは
■繙く(ひもとく)
「書物の帙(チツ)の紐を開いて読むこと」「書物の知識に触れること」という意味があります。
現代は「繙く」の意味でも「書物の知識に触れること」という意味だけではなく、「真実を明らかにする」「疑問を解明する」という意味でも使われています。
もうひとつは
■紐解く(ひもとく)
「衣服の紐を解くこと」という意味があり、特に下紐をほどくことを意味しています。辞書では「つぼみが開くこと」という意味でも記載されています。
下着となる衣服の紐を緩めるという意味で、男女の交わりを表しもします。
良質の書物は、このふたつの「ひもとき」を同時に適えてくれます。
若かりし頃に読んだ書籍のひとつを今日再び手にし、勢いに任せて目を走らせただけの箇所を、今度はゆっくりと、自らに重ねて読むとき。
このふたつのひもときが同時に行われます。
「自分」という自ら創り上げた幻想を捨て、みっともなく恥ずかしく悲しい部分を含め認められるようになった人生のこの時期に読書ができる幸せは格別です。
主人公の人生と自らの人生を重ねるようにして、また立場を逆にして、悩むように読書を進めています。
「小説の主人公」はいわば「自分の分身」であることから目を背けず、ひとりの人間として哀れに思うとき、自分を許し他人を許す慈悲の心が現れることをこの年齢にして知りました。
艱難辛苦を知ることは、古来からの名著に書かれていることを理解する大いなる助けになります。
年端もいかない幼児の無邪気は、後からそれと気が付くものであるように、過ぎ去った若かりし日もまた、年を取ったからこそ鮮明に思い出されるものなのでしょう。
人生100年時代と言われますが、果たして健康でいられるのはいくつまでなのでしょう?
残りを少なく見積もりあと20年と考えると…
あっという間に過ぎ去った20年は、20年とは思えないほどに短く早く、今後はさらに加速をつけて日々が私を通り過ぎていくのは確実です。
意にそぐわない事に時間を費やす余裕はないと自分に言い聞かせて、身体的にはそうそう自由にならない我が身を想像の世界(それは単なる想像という無意味なものではありませんが)に遊ばせるのは、とても有意義でなおかつ将来の糧を耕せる過ごし方だと思います。

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