2012年04月14日

ロルフィングとオステオパシー

『外側から内側へ』

ロルフィングでは、施術のプロセスをタマネギの皮むきに喩えます。
このことは、ロルフィングが身体組織を表層から深層へ向けて施術していくことを表しています。
アイダ・ロルフはこれについて、以下のように述べています。
「外側から働きかけ、内側へ入りなさい。たいていの主義療法家は、内側、つまり彼らの言う『原因』からスタートする。それが『原因』なのかもしれない。しかし私にとっては、そんなことはどうでもよいことだ。ただし、そこからはスタートできないと言わせてもらおう。現に起きている問題を解いていくための場所(外側)からスタートしなければならない」

…中略…

トム・シェーバーという、多くのロルファーに影響を与えている高名なオステオパスが、「施術では、身体を内奥から外側へ向けて開いていく。『神聖』が現れてくるように、最初の時点からできるだけ深く働きかけていくべきなのだ」と述べています。
『これがボディワークだ 進化するロルフィング』P56

ロルフィングとオステオパス。表層からリリースするのか、深層から始めるのか。
二人の言葉は、目的があり、そこに至るための方法があり、方法は幾通りもあることを示すものなのだと思います。


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posted by MSaito at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ロルフィング

2012年04月04日

ロルフィングの価格

クライアントさんからの何気ない「ロルフィングは知名度が上がっていてもおかしくないような気がしますが、値段が高いから」という言葉に考えされられました。

ロルフィングのセッションは金額が高いという意見はよく聞きます。
100円でそこそこのモノが買える時代です。
コストが低い商品は売れ続け、安価で色が豊富なユニクロ商品は地価が高い銀座にも店舗を出しています。
柳井正社長が世界長者番付の日本人第一位になっていますが、消費者のニーズがここに反映されているようにも思えます。

安くて品質の安定した商品が出回るのに対し、劣悪なサービスも増えています。
身近な例として、ネイルサロンの価格競争とサービスの低下が個人的には気になります。
初回限定で価格を安くし顧客を呼び込み、時間単位の単価を上げるためにサービスの質が下がっています。
消費者は「同じデザインなら安い方が」と初回の金額が安いサロンを転々とすることになる。
サロン側は当然、一見さんという認識のもとに顧客を扱うので、ますますサービスの低下につながる。
価格競争の実態が見えると、「人と人」の部分での配慮を大切にする個人サロンで顧客が定着しそうに思えますが、経営者の顔が見えない店舗型ネイルサロンは健在です。
技術競争力低下によるデフレーションは必ずしも起こっていません(水面下で起きているのかもしれません)。

モノの値段が下がっても、商品が消費者のニーズに合わないとデフレギャップで商品/サービスを提供する側が苦しむし、経済の均衡を人的に保つのは本当に難しそうです。

セッションのたびに流暢な日本語で「ビジネスはどうですか?」と尋ねるイギリス人証券マンがいらっしゃいます。
彼の意見は「本当は、価格をどんどん引き上げた方がいいんですよ、日本はモノが安すぎる」とのこと。
世界経済の中の日本の位置づけがわからない私にとって「値上げ策」はかなり大胆な意見に思えました。
日本経済が足並みを揃えて価格を引き上げていくのならば経済の回復に一役買うのかもしれません。
日本の復興のためにも経済を回す必要があるのに、購買意欲に水を差すような消費税値上げのニュースも聞こえてきます。

経済活動を活発にすることが、直接 商品の知名度に結びつくのかどうかは未知数です。
ロルフィングのセッション料金を高価、安価とする比較対象もあいまいです(クライアントさんの意見はロルフィングの値段ではなく、日本の物価についての発言でした)。
むしろ品質向上を目指すことで信頼を得ることが、まだまだ必要なのかもしれません。
コンセプチュアルなものから実質的なものへとニーズが変わっているように感じます。

こうして考えていくと、私たちボディワーカー/ロルファーも、世の中を推進していく燃料になっているのだと実感します。

293_work.jpgillust by:西谷 久

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posted by MSaito at 10:42| Comment(2) | TrackBack(0) | ロルフィング

2012年03月06日

ロルフィング/姿勢と構造

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「構造への道のり」

構造とはなんだろう、それはどんな見え方をするものなのか?
私はそれに何を求めて、それをどうやって意識したらいいのだろう?
一般に構造は、人間の構造に特定して話される。機能とは何か?
そのメカニズムはなんだろうか?どの程度、人間はそれを修正していけるのだろうか?

最初に挙がる質問は、「構造とは何か」だ。
全ての物質における構造とは何だろう?
人間にとってそれは姿勢を意味しないのにも関わらず、多くの人々が、このことばを
同義語だと考えているように見える。
からだの身体的構造を変化させた場合、どの部分が修正され、その影響は何だったの
だろうか?

語源的に、「姿勢」という言葉は構成の位置という意味を含んでいる。
この言葉の語源はラテン語のポネレ「位置させる」に由来する。
現在分詞のポジティウムは「位置させられた」という意味だ。
それが人間に適応されたとき、姿勢とは何か位置させられたものであり、構造的にも
本来的にも見合わない空間に、無理やり配布されたイメージを含んでしまう。

いずれにせよ、それが平面であれ、三次元的であれ、生体であれ、動きを持たない
ものであれ、構造とは関係性を示す。
生きているからだと、力と力の対応による強烈なエネルギーや、エネルギーの枯渇の
表現だ。
それは、三次元の物質的世界の表れであるともいえる。
人間は、物質世界の法則につかさどられる生き物であるように、エネルギーの法則にも
司られている。
人間の身体、建築物、自動車、飛行機、そして三次元的世界に存在する全ての物質は、
そのメカニズムと調和して構造立てられている。
この、根本的な物理学的細分、地球のエネルギーフィールドは、地球の重力空間
(重力フィールド)、もしくは“物質粒子”と呼ばれるものや、その集合体の影響に
関与を受ける。
物質の集合体は、全て、あるレベルのエネルギーの証明である。
生命を持つ有機的な物質は、対となる無機的な物質と比較して、より強いまたは
より明白なエネルギーフィールドの結果である。
恐ろしく力を持つエネルギーフィールドを持つ地中の重力は、より小さな有機物の
集合体を強化することも出来るし、破壊することも可能だ。
それは、空間における二つの物体の相互的な関係に依って決定付けられる。
分節構造として集合した個々の部位が、対照的でバランスの取れたものであれば、
地球の重力の影響は少なくなるだろう。


アイダ・ロルフの著書 "ROLFING"からの抜粋です。
経緯は前述したとおりです。
チャプターなどは調べればわかりますが、残念ながら本日はそこまでの余力はありませんでした。
長文になるのを避け、一部を掲載しました。


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posted by MSaito at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ロルフィング
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