2018年04月20日

ロルフィングのテクニックって?

先日、ロルフィングのユニット2を終了した方とセッションを通じていろいろとお話をする機会がありました。
質問の答えを考えるというのは、自分の考えをもう一度まとめるのにとても役立ちます。

ロルフィング、といっても画一的なテクニックではなく、施術を行うロルファーによってずいぶんとやり方も結果も変わってきます。
どのテクニックが有効で、どれが有効率が低いかは、お子さんとのセッションで判断することが多いです。
何の前知識もなく、保護者も同席してない状態でセッションを行うことが前提です。

優しいタッチでふんわりと触れる方法だとお子さんが眠ってしまうし、起きていても何をされているのかわからずもぞもぞ動いたり、緊張でからだを固くしたりと居心地が悪そうです。更にふんわり触って骨に届かせる、なんていう方法だと(私自身はセッションでこうした方法を使うことは皆無ですが、試しに行ってみました)全く変化を感じてくれません。
「右と左で違う感じがする?痛いの少しは良くなった?」と聞いても、うーん、うーんと考えて「わかんない」という事が圧倒的に多いです。
お子さんとロルファーとが、感覚の共有も情報の共有もできない状態になってしまいます。
もちろん、触れられるだけで気持ちが良いので、リラクゼーション的な効果は非常に高いですが。

そんな経緯で、弁別可能な機械的刺激が合った方が、変化が起こりやすいというのが持論です(反論ももちろんあると思いますが)。

最近ではロルフィングセッションをお申込みくださるクライアントさんの意識がこれまでと違ってきているようで、不具合があっていらっしゃるのではなく「10セッションを通じて全身をリリースしたい。身体を整えたい」という目的の方が多く、外国人のクライアントさんに関しては、外国人の方が書いたエモーショナルリリース的なロルフィング書を読んで、感情の解放を期待してお申込みくださる方、疼痛の解消にいらっしゃる方(単発で受けられると勘違いしていらっしゃる方)が多い傾向にあります(筋膜リリース=ロルフィングと考えている傾向が強いです)。

ロルフィングは果たして身体教育か?身体教育の定義とは?と考えることも多いのですが、ロルフィングのトレーニングを担当する講師によっても身体教育的だったり、エネルギー寄りだったりするようなので、身体教育という部分は省いてしまって、10セッションの内容を充実する方が良いのでは?と思ったりもします。

いろいろなクライアントさんとお会いするたびに、さらに知識と技術が必要だなーと思います。

さて、本日の『カンタン!深部−筋膜リリース』は内臓のリリースです。
資料はカラーで作成しました。小川がリードします。
参加の皆様、ご期待ください!

横隔膜1(心臓).jpg

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『筋膜リリース コツのコツ』セミナーを開催します。単発参加も歓迎です。お友達同士、ご夫婦でのご参加も大歓迎です!老若男女おいでください。(残席2席となりました。お申込みはお早目に!)
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2016年02月28日

ロルフィング第六セッション

ロルフィングの第六セッションは、軸骨格を整えるセッションだと理解しています。
レシピに沿うと、後頭部からかかとまでの非常に幅広い範囲の「背面」がセッションの対象をなっています。
わずか60分程度のハンズオン(リリース)でこの全域をきっちりとリリースするのは困難極まります。
なんらか工夫が必要で、その工夫の部分というのはロルファーによって違ってくると思います。

どの範囲をリリースすべきかは姿勢分析に頼ることが多いのですが、どうしてもオープンパスメソッド的「聞き取り」の要素が多少入ってしまいます。
「重力の中で楽な体」や「バランスのとれた体」同様に「今困っている事の解消」が重要に思えてしまうからです。
それでも行うのは「レシピに沿ったロルフィングのセッション」そのものです(解剖学的にはもう少し細かいセッションになっていることは間違いないのですが)。

先日のセッションでは、リリースの範囲を後頭部からハムストリングまでと定めました。
腰痛や背中から頸にかけての痛みや不快感があることから、優先順位を主訴の改善に置きたいと考えたからです。

ロングストロークは一切使わず、脊柱起立筋群の緊張の度合いを触り分けし、腰背腱膜の後葉から仙骨孔のリリースを行い、骨盤の前後傾に合わせて仙骨を動かし、「背中」に関しては辛さの原因となっている脊柱起立筋群を含め緊張の強い筋(腸肋筋、最長筋、棘筋、頭板状筋、広背筋、僧帽筋の上下降部、頭板状筋など)に焦点を定め小さく動いてもらいつつ緊張を緩めていきました。
臀部の緊張は触察しながら深層六筋を骨端に沿いながら緩めていきました。

半分眠っていても動いてくださいます、と先日のブログで記述しましたが、眠そうながらしっかり動いてくださいました。

結果として脊柱の生理曲線が戻り、立位の際には左右均等に体重がかかるようになり、歩行の際も足が軽く感じるとのフィードバックをいただきました。

レシピに外れず、でも丁寧におひとりおひとりにあったセッションをするのが自分のミッションだと、最近再び強く思うようになりました。
ロルフィングセッションに興味をお持ちいただけましたら、ぜひおいでください。
予約はこちらからhttp://www.rolfingopenpath.com/#!blank/oerwnです。

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オープンパス パルペーションインテンシブセミナー<次回は2月28日です>
時間枠:10:00−13:00 14:00−17:00 各3時間
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posted by MSaito at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ロルフィング

2016年01月10日

ロルフィング第5セッション(第六セッションの準備を含め)

またしても風邪をひきました。
治りかけのところ、マスクをせずに冷たい空気を吸ってしまったのが原因かと思われます。
38.6度だそうです。ヤケクソで動いていますが、クライアントさんにはご迷惑をかけないよう十分に配慮しております。
正月も寝込んでいたし、2月の立春以降は健康になれるといいなと思います。

さて、一度消えてしまった今年最初のセッションについて再度書いてみようと思います。
今年最初のセッションは、ロルフィングの第五セッションでした。
第五セッションは脊柱の前面を伸ばす事を目的としています。
対象範囲は広く、膝の上部から下顎までです。唯一、腕部のリリースを含むセッションでもあります。

これだけセッション範囲が広いので、漠然と全体をリリースしてもあまり効果はなく、生理曲線(脊柱の湾曲)を上下に伸ばすにはどうすべきかを考えます。
セッションスタート時のクライアントさんは骨盤の前腕が比較的強いタイプの方でしたが、第五セッションまでにはその傾向は弱まっていましたが、大腰筋がキーマッスルだと判断しました。

セッションの精度を上げるためには大腰筋のリリースも慎重に行う必要があります。
私の場合は、キーマッスルと前後のセッション(第四セッションと第六セッション)との関連も考えるようにしてリリースをするよう心掛けています。

大腰筋は横隔膜、臀部の深層六筋、股関節に影響を与える筋肉です。
脊柱に沿って走行し、股関節では表層を走り、大腿骨内側に付着している複雑な筋肉ですので、リリースの場所を間違えると効果は出ません。
クライアントさんの場合は大腰筋と横隔膜との関連に着目し、脊柱前部で大腰筋をリリース、また腸骨筋と大腰筋のコンパートメントをリリース、横隔膜リリースと少々内臓リリースをしました。
第六セッションの準備としては、腸骨筋から伝わる膜連続体の緊張を片手でモニターしつつ、脊柱起立筋(長肋筋)をリリースしました。
今回からは頸椎の調整にも時間をかけたいと考えていたので、第六セッションの準備の意味合いで頸椎リリースにも時間をかけました。

結果として脊柱が伸び、歩行の際の足運びが楽になったとのことでした。
腸骨筋リリースの際に、片手でモニタリングしながら骨盤の調整をしたところ「そこそこそこですー!」とクライアントさんがおっしゃってくださったので内心「うふ」と思いつつリリースを続けました。
また「首が楽」とのフィードバックをいただき、丁寧にセッションしてよかったと満足しました。

ことしも「クライアントさんごとに丁寧に、解剖学的に確かな技術で」をモットーにセッションしていく所存です!
と書いていて、これをモットーとして今年一年掲げていこうと思いつきました。


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posted by MSaito at 12:48| Comment(2) | TrackBack(0) | ロルフィング
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