2016年03月13日

触察/体性感覚と共に現れるもの

昨日、同タイトルでブログを書こうとしました。
抵抗を感じつつ書き出したところうまくかけず断念し、今日再び書くことに挑戦しています。
うまくかけるかどうか。
読み手の方には、ただの夢物語とか妄想だとか受け取っていただけると幸いですし、逆に深い共感を感じていただけると仲間意識を共有できます。

私たちボディワーカーが扱うのは主に身体で、心理療法家が扱う心や心の働きを扱うことはしません。
心と体は一体だという説はある意味真実ですが「ある意味」でしかありません。
ボディワーク業界の一人者が、1990年代に精神心理という専門外のことまで引き受けられると思い込んでしまった結果、中途半端にしか問題解決ができずクライアントさんへの不利益をもたらしたという前例もあるため心理的なことは専門家に任せるべきだと考えます。

私たちオープンパスのボディワーカーは身体構造と身体機能をクライアントの主訴と組み合わせて解決しようと最大限の努力をします。
それは頭脳労働であり、肉体労働であり、なにより第一に生身の人間に寄り添う精神労働であり、やりがいのある仕事で責任重大な仕事でもあります。

私たちのセッションの基礎にあるのは、まずは平均的な「人体の構造への理解」です。

解剖学に従って起始から停止まで個人の筋肉を追うことがトレーニングの初期段階としての知識ですが、人体は本当に個性的でひとりひとりが違った構造を持ち合わせています。ですので、オープンパスで言う解剖学とは「個人を知るひとつの手段」と同意語です

そうした経験を積み重ねていくと、物理的に人体に接することと個人に接することの境界が薄れてくることがあります。

物理的に人体に接しているとき、ワーカーの感覚は漁船に取り付けられたソナー同様に、組織の状態と組織を介在して受け取ることができる周囲の状態を確実にキャッチします。
それを突き詰め、「個人の人体」を扱う感覚でワークをすると…これが不思議なのですが、クライアントさんのビジョンや感覚、見えている風景を共有することがあるのです。
ワーカー側の想像かと思いましたが、決してそうではないようです。

なぜそれができるのかはわかりません。
クライアントさんみなさんとその感覚を共有できるわけではなくある一部の方とのセッションでのみ経験する出来事です。
わずかに1割にも満たない方としかそうした経験を共有できていません。ですからこれは偶然の産物です。
こうした占いのような効果を期待してセッションを申し込んでくださったとしてもお金の無駄になりますということは予めお伝えしておきます。

こうして公の場で不思議な体験を披露してしまうことで怪しいボディワーカーと思われてしまうのではないかという不安はありますし、書くとそうした力が無くなるかもと思いましたが、あえて書いてみました。

セッションの不思議体験は私よりもクライアントさんの方が多くしてくださっているようです。
私生活では幼いころから不思議体験をしてきたので全く抵抗はありませんが、でも面白いですよね。

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オープンパス パルペーションインテンシブセミナー次回は<3月27日/日曜日です>
時間枠:10:00−13:00 14:00−17:00 各3時間
会場:オープンパス・オフィス(東京都新宿区西新宿4−32−4)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
毎回のカリキュラムはこちらをご覧ください。http://baucafe.sblo.jp/article/172739339.html
オープンパストレーニング公式サイト http://openpathmethod.com
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2016年03月02日

セッションのヒントになりますか?

オープンパスメソッド(R)ファシャワークトレーニングでお伝えする内容は、10年以上に渡って集めた奨励を凝縮し、わかりやすいよう姿勢分析とリリースの部位を特定して実践に役立つようにしています。

今日のセッションのクライアントさんは、是非ともクライアントモデルとなっていただきたいような筋緊張が顕著に表れていました。ああ、これがトレーニングの最中であれば参加者の方たちにとっても勉強になるのにととても残念に思いました。
詳細を伏せ、セッション内容を(ぼかしていますが)シェアさせていただきます。

(1)頸から肩甲骨にかけての突っ張り
触察によって、その原因がはっきりとわかります。
ただ触るだけではなく筋肉特有の動きをしてもらうことにより「表層」にある筋肉か、それより深層にあって頸部に関わる筋肉かの判断ができます。
また、構造(姿勢)を考慮して肩甲骨の位置を確認することにより、伸長緊張と肩甲骨を介した筋肉のパフォーマンスの関連がわかるので、セッション後のからだの動かし方についてのアドバイスが的確にできます。
候補として上がる筋肉は肩甲骨〜頸部、肩甲骨〜腕部、肩甲骨〜胸郭の筋肉で、複数ある中から触り分けをしていく必要があります。

(2)腰の違和感
脊柱の生理曲線と腰の違和感、そして不快感を感じる場所と臀筋との関連を両手を利用して確認しながら適切にリリースします。
脊柱の生理曲線が関わる関係上、腰の筋肉以外にも広範囲に視野を広げなくてはいけません。
そのうえで骨盤に関する筋肉の緊張の特徴を見逃してしまうと効果は上がりません。
具体的には、上後腸骨棘と仙骨を中心に、大腿骨との関連性を見逃さないようにします。
簡単に言うと、腰が痛いという訴えがあったら背中の上部から骨盤と太ももの形状をその関係性までも細かく見てリリースして、やっとリリースの結果が出るということです。

(3)手を伸ばしたときの痛み
結果として神経系の痛みということが分かったので、神経管の緊張が強い部分を押さえながらその前後を伸ばすような動きをしていただきました。
周りの筋肉をリリースして神経管を動きやすくするのは当然ですが、直接に神経にも働きかけを行います。
自宅でできるリリース法およびソマティクスのテクニックをお伝えすることで、ご自分でもメンテナンスしていただけるようにしました。

触察触察とうるさいようですが、的確に対象となる部位を探し当てることができればクライアントさんの負担は(時間的にも料金的にも)軽くすることができます。
そして何よりも、自分がクライアントさんに貢献できている自覚が生まれ、責任感が生まれます。

少しずつ自分のハードルを高くし、それを超えた方たちが活躍してくださっているという実感があるからこそ、オープンパスのトレーニングが続いているのだと思います。
時には自画自賛もしますね、これまで努力を怠らずに来ましたので。

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骨指標も神経の走行もとてもとても大切です。

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オープンパス パルペーションインテンシブセミナー<次回は03月06日です>
時間枠:10:00−13:00 14:00−17:00 各3時間
会場:オープンパス・オフィス(東京都新宿区西新宿4−32−4)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
毎回のカリキュラムはこちらをご覧ください。http://baucafe.sblo.jp/article/172739339.html
オープンパストレーニング公式サイト http://openpathmethod.com
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2016年02月25日

昨日の勉強会「全体性」

昨日は夕方から2時間半を使って、オープンパスアドバンスボディワーカーの方たちと勉強会を行いました。
勉強会の議題は
(1)人工関節のクライアントさんに対するセッション/歩行分析、姿勢分析の観点から
(2)頭蓋/硬膜のマニピュレーション(実際には頭蓋のマニピュレーションの練習)
上記の2点に焦点を当てて勉強会を行いました。

クライアントさんが特徴的な病理的症状を持っていらっしゃると伺うと、どうしてもその部位に気持ちが集中してしまいます。
でもよくお話を聴くと、そうした状況の中でも「全身のバランスを保って動きたい」という大きな目標をもっていらっしゃることがわかります。

オープンパスメソッド(R)は全体性を大切にセッションを構成するので、たとえクライアントさんの主訴がある一か所に限っていたとしてもそれに関わって全身を観察しながら主訴を解消するためのさまざまなテクニックを駆使し、またセッションの結果がセッション終了後にも根付くように考えなくてはいけません。

しかしながら、この点が非常に難しいということは、これまでのトレーニングやセミナー等で「伝える」ことを経験してとてもよく分かります。

筋膜の緊張を分析する段階になると、どうしても全体が見られず「肩こりだから僧帽筋」「腰痛なら脊柱起立筋」と、初心者のうちはマニュアル的なリリースをしてしまおうとするのです。
もちろんこれは、ボディワークのセッションに慣れていく行程なのでそれで良いと思いますし、その都度「マニュアル的でいいのか」と自問するいい機会になると思います。

勉強会の目的は、自分のセッションの傾向に気付くこと、そこから抜け出すこと、そのための新たなアプローチ法を見出すことなので、皆が集まっていろいろな意見を出し合うことがとても有意義なのだと実感します。
こうした議題がでるくらいに積極的にセッションを行い、またクライアントさんの信頼を得ているというのは素晴らしいことだと思います。

私もまだまだ学ぶ立場ですが、次回の勉強会では議題に関連する資料などをまとめつつ参加できたらいいなと考えています。

今日は今日で仕事とは関連しない、新宿区主催の講座に参加したのですが、そのご報告はまた後日。

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オープンパス パルペーションインテンシブセミナー<次回は2月28日です
時間枠:10:00−13:00 14:00−17:00 各3時間
会場:オープンパス・オフィス(東京都新宿区西新宿4−32−4)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
毎回のカリキュラムはこちらをご覧ください。http://baucafe.sblo.jp/article/172739339.html
オープンパストレーニング公式サイト http://openpathmethod.com
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