2016年07月04日

ワーカーにとって良いクライアントさんとは?

先日、クライアントさんから「ワーカーさんにとって良いクライアントさんてどんなクライアントさんですか?」と聞かれました。
うーん…と悩みました。
きっと、ワーカーによって「良いクライアントさん」の定義が違うだろうと思います。
私にとってどんなクライアントさんとのお仕事が理想的なのだろう、と考えつつ日々を過ごしていましたが、なんとなくぼんやりとわかってきました。

良いクライアントさんという定義は私にはなく、代わりに「満足のいくセッション」があるのだと気が付きました。

時間的にも金銭的にも負担を負ってきてくださるクライアントさんに応えるためにも「双方にとって満足のいくセッション」であってほしい。相互に求めるセッションを追求できたらこんなに嬉しいことはないと思うのです。

それを実現してくれる条件の一つとして「集中できる環境」が挙げられます。
これはたとえ話ですが、クライアントさんが叫んでいたり独り言を言ったりしていても、私の集中力がクライアントさんの要求を叶えることに向かっている限り全く気になりません。整った環境の中でセッションができていると感じます。
逆に集中を妨げるような要素を持ちこまれ、その結果十分な成果がでなかった場合、これはいつでもワーカーの責任となります。
不本意な気持ちで次のセッションの準備をしたり、帰路についたりするのは空しいものです。

双方のために「集中できる環境」を作るべく、目に見えるかたち、目に見えない形でのサポートをしたり、境界を作るためにアサーティブになったり譲ったりしながら気配りをする。
これがセッションの基本です。すべての仕事に共通する部分です。
双方に集中できる環境づくりには、オフィスの環境などある程度の改善ができるものもあれば、クライアントさんの自分に対する価値観や観念など、変化を促すのが困難でそこまでの踏込みが必要なのか疑問に思えるものまであります。

環境が整えられないと思ったら、きっとセッションを続けることはできないと思います。
ボディワークセッションは仕事でありつつも、ただ収入を得るだけの手段ではないと、いつも思いながら仕事をしています。
協力的なクライアントさんに感謝の気持ちを持ちつつ、セッションを続ける日々です。

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2016年04月23日

骨盤と足底の関連

オープンパスメソッドの特徴の一つは、全体の構造と膜組織を広範囲で観察しながらセッションを行うことにあります。

脚長差があり、左右の腸骨に前後傾の差があるクライアントさんの症例です。
身体バランスは「左の足にかかっている」ということを自覚しており、なおかつ外見的にも骨盤を中心に右側屈が強く見えます。
前回のセッション後はバランスが中心にあるとのことですが、第三者的視点(ワーカー側)からもそれがわかりました。

さて、しばらく前に「骨盤を整えれば万病が治る」的なアプローチがありました。
ボディワーク的な「全人的」「ホーリズム的」な考えとかけ離れることもあって(申し訳ないながら)興味を持つことはありませんでした。
どちらが良いとか、どちらが優れているとかではなく、考え方(メタ理論)が違えば技法が違ってくるという考え方が骨盤アプローチに自分を向かわせることはありませんでした。

それではどういうアプローチを利用するかというと、骨盤の左右差を整える場合には、その延長にある足根骨と頭蓋骨を調整します。
特に足根骨は重力の影響を大きく受けるので、長期にわたる調整が必要な場合、足関節を酷使する方のセッションでは毎回かならず並びの確認をします。

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ショーパール関節、リスフラン関節を整えずに骨盤の調整を終えたとは言えないはずです。
足根骨を形成している踵骨と脛骨、脛骨と腓骨の関わりも見逃せません。
セッションを受けてくださった方の中には、踵骨の調整を行う際に、実際に踵骨が「カクカクッ」という感じで小さく何度かにわたって動くことを実感し、驚かれた方も少なくないと思います。
そして、仙骨が頭蓋骨を、頭蓋骨が仙骨を動かすことを考えると上から下までその方に合ったセッションを提供すべく、常に緊張していなくてはいけないことがお分かりいただけるかと思います。

ショーパール関節とリスフラン関節の大切さについては、パルペーションセミナーで強調すべき点でもあったのですが時間がなくお伝えすることが叶いませんでした。
パルペーションセミナーでお時間があればお伝えしたいと思いますし、ファシャワークでは絶対にお伝えしたいと思います。
クラアイントさんはもとより、受講生の皆様もお楽しみに!!

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オープンパス パルペーションインテンシブセミナー次回は<4月24日(日曜日)です>
時間枠:10:00−13:00 14:00−17:00 各3時間
会場:オープンパス・オフィス(東京都新宿区西新宿4−32−4)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
毎回のカリキュラムはこちらをご覧ください。http://baucafe.sblo.jp/article/172739339.html
オープンパストレーニング公式サイト http://openpathmethod.com
斎藤瑞穂の個人セッションのサイトhttp://www.rolfingopenpath.com/
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2016年04月07日

約1時間で全身を楽にするために

先日、何か月かぶりにクライアントさんがセッションを受けに来てくださいました。
アジア各国のストリートダンスに関するNPO法人にお勤めで、入社後は出張も多く、なかなかいらっしゃれなかったとのことでした。
お仕事が充実していらっしゃる様子が伝わり嬉しくなりました。

主訴をいくつか挙げていただきましたが、その部位については確実に変化を起こしたいし、部位のみを意識するのでは筋膜を扱っている意味がない。
そうなると、カウンセリングや姿勢分析をする10分から15分の間にリリースするべき要所を素早く探し出さなくてはいけません。

姿勢分析は確実に行わないと、クライアントさんがマッサージテーブルに横たわったときに左右逆の状況が起こったりするので要注意です。

仰臥位、腹臥位(または側臥位)になったときに、触察で筋膜の緊張をとらえることも大切です。
筋膜の緊張が集中する部分をさがしだすことができれば、筋肉の全長をたどったり、起始停止にこだわったりせずに、要所要所をリリースするだけで済みます。

また、浅筋膜の特性を十分に活用するなら足首を操作して頸部の可動域を変えることもその逆を行うことも不可能ではありません(カルチャー講座やパルペーションセミナーでちょっとお見せしました)。

そこに「気持ちよさ」「心地よさ」の気遣いを入れられれば完璧です。

一回のセッションで、いかに結果をだし、また気持ちよく帰っていただくか。
私たちボディワーカーは「肉体労働」と思われがちですが、実は「頭脳労働」も同時に行っています。

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オープンパス パルペーションインテンシブセミナー次回は<4月10日(日曜日)です>
時間枠:10:00−13:00 14:00−17:00 各3時間
会場:オープンパス・オフィス(東京都新宿区西新宿4−32−4)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
毎回のカリキュラムはこちらをご覧ください。http://baucafe.sblo.jp/article/172739339.html
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