2018年10月05日

だから、触察ができないとダメ

クライアントさんから、肩と背中と腰が痛いと言われました。
どんな順番で、どこを施術しますか?

オープンパスメソッド(R)はクライアントセンタードに徹するので、クライアントさんの主訴を大切に扱います。
主訴に挙げられた原因を突き止め、それを解消することがミッションと考えます。

肩、背中、腰、と言われたら、何筋をリリース(施術)しますか?
どうしてその筋肉を選択したかを、理論立てて説明できますか?

ブログ用1005.png

この解剖図を見ていただけるとわかると思いますが、筋肉はとても複雑な構造になっています。
この解剖図が示すのはからだの背面で上部の一部のみ、主に表層で触りやすい筋肉群が左側に、それよりも一層程度ですが深層に位置する筋肉群も示されています。
簡易に示してくれている解剖学手引アプリでもこれだけの情報が掲載されいてるのです。
正味60分程度の時間内で、いくつもの課題が待ち受けています。

主訴を解決させる方法は、原因筋を特定することです
絶対的に効率的な方法は、痛みや不快感の原因となっている筋肉を「触察で」探し当て「触察を頼りに」リリースすることです。

一例を挙げると、肩こりといっても原因になる筋肉はいくつも考えられます。
表層にあり、後頭部〜肩甲骨〜脊柱に付着する僧帽筋なのか。
それよりも深層にある、肩甲骨から頸椎にかけて強く作用する肩甲挙筋なのか。
または胸郭(肋骨関連)の首から肋骨に関連している斜角筋軍なのか。
鎖骨と肩甲骨の両方に悪さをする可能性を秘める三角筋なのか。

触察ができれば、すぐにどの筋肉をリリースするべきか、リリース筋の関連でどの筋肉に影響が及んでいるかがわかります※
※私がロルファーの資格を持つことから、アナトミートレインという書籍に紹介されている方法を利用しているのかという質問を時々受けますが、アナトミートレインとオープンパスメソッド(R)とは何の関連もありません。

今日おいでいただいたクライアントさんは、肩がこるという主訴でした。
棘上筋(肩甲骨上部と腕をつなぐ筋肉)と三角筋前部(肩の丸みを作っている筋肉)の緊張が強く、関連して小胸筋(肩甲骨を前にひっぱって、いわゆる猫背にみせてしまう筋肉)が緊張していました。
伴い、胸鎖乳突筋(首の横から前にかけてある、大きな筋肉)の乳様突起付近に強い拘縮がみられました。
腹直筋の緊張と、骨盤(右側)の前傾、右大腿四頭筋(外側広筋)の緊張が顕著にありました。
もちろん大腰筋(腹部の深層筋)リリースの必要性もあり、自ら動いてもらいながらリリースを行いました。
このブログに記載しているのは、リリースした部位の一部でしかありません。

リリースしたところ、「ああー楽だー!ほんっとに楽、会社に行きたくないー!!」との嬉しい(?)コメントをいただきました。

教科書に載っている解剖学も大切ですが、手で触って確かめること、からだを全体的にみられる視野を養うこと、施術ではこれがとても大切なのだと思います。

今日は一日ずっと、楽しくセッションをしていた印象でした。
来てくださったクライアントさんから、たくさんの仕事のヒントをいただきました。
許可をいただけるようなら、ケースワークのようにしてブログに掲載できればとも考えています。

肩甲挙筋に関するopenpathmethodのYouTube画像のリンクはこちらです!!
https://www.youtube.com/channel/UCtNxD0uMG1_-g8wlysU0U0A/search?view_as=subscriber&query=%E8%82%A9%E7%94%B2%E6%8C%99%E7%AD%8B

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2019年、仙台、長野、群馬でワークショップを行います。
詳細はこちらのブログでご確認ください。

長野の締め切りは10月18日、仙台の締め切りは10月25日です。

「初心者を上級者に変える 筋膜リリース コツのコツ」電子書籍で発売中です。
こちらからダウンロードしていただければ幸いです。https://goo.gl/qHRsbd 

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ご希望のセッションと、ご希望日を第三希望までお知らせください。
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※日曜日は講座のためセッションはお休み、月曜日は定休日です
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2017年10月02日

肩関節周囲炎、痛いときのリリースはダメ

いわゆる四十肩とか、五十肩とか言われる症状は、正式には肩関節周囲炎と呼ばれますが、急性期にはかなりの痛みを伴う不快な症状です。
果たして肩関節周囲炎に筋膜リリースは有効か?
自分のからだを使って検証してみました。
レントゲンを取っていないのでどの部位に炎症があるのかは素人判断になりますが、自覚症状として関節包、腱板、上腕二頭筋短頭の腱に痛みがあり、三角筋前部、後部と棘下筋(とくにここ)は動きと共に痛みがでます。

小川氏にリリースをしてもらうこと約30分。
LRテクニックの疼痛解消法を利用してもらいました。
リリースにかかる時間は通常のジャンピングポイント(疼痛部位)の数倍の時間が必要だったようです。
横臥位の状態だと、疼痛部位を押されたときの痛みは軽減します。
組織にも柔軟性が戻ってきたようです(実感はあまりない)。
でも、立位でセッション前後の違いを比較するときにはビフォーよりも痛みが増している気がし、痛みの感覚はしばらく続きました。

炎症がある間は組織に刺激を与えるのは良くないのではないか?という結論になりました。

決定的な治療法がなく、完治までの期間も人により数か月から数年なのだそうです。
動かしながら可動域が狭くならないようにする方が良いとのことなので、腕立てなどして適度に動かしつつ急性期が去るのを焦らず待とうと思います。

筋骨格系は健康だと思っていたのですが、自己イメージの書き換えが必要な年齢になったようです。
足のけがも、良くなりかけのところを自己流にいじって後戻りさせてしまったので猛反省中です。

今日の画像はお土産集です。いただいた順に。
くださった方おひとりおひとりが、私にとってとても大切な人たちです。
いつもありがとう、そして今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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『カンタン!筋膜リリース全6回』http://baucafe.sblo.jp/article/180836371.html
2時間3000円で、明日から使えるテクニックをお伝えします。

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2017年06月04日

顎関節症、尾骨の痛みが劇的に改善しました

今日はなかなかに難しいお題をいただきました。
「顎関節症と診断され痛みがあるケース」と「ロールダウンするときに尾骨から仙骨にかけて床にあたって痛いケース」です。

顎関節症は、咀嚼に関連する筋肉をリリースするだけでは改善しないことがほとんどです。
セッション前に歯医者さんで診断を受けたところ「首の筋肉の緊張が関わっているだろう」と言われたとのことでしたので、その診断に沿ってセッション計画をクライアントさんと相談しました。
セッション内容について、単純に「A筋とB筋、C筋をリリースしました」などと言えるといいのですが、「筋」だけにこだわらないのがオープンパスメソッド(R)のインテグレーティブボディワークです。
咀嚼に関わる筋をリリースして簡単に結果がでるほど、からだは単純ではありません。
とはいえ、全体を把握して遠いところから、というのもまどろっこしいので頭部〜仙骨までのつながりで顎関節の不具合を探します。

オープンパスメソッドのボディワーカーは、自らを権威としないので、クライアントさんに素直に聞きます。
「こことここではどちらがひびく感じがありますか?」「ここをこう動かすと、押された感じは変わりますか?」こんな質問を重ねていきます。
質問をしなくても、手を置いた部位からある程度の情報は拾えているのですが、クライアントさんに聞く方が正確だしセッションに参加してもらえるメリットもあるし、クライアントさんご自身に変化を実感してもらえます。

胸鎖乳突筋や斜角筋、咬筋などに点在する圧痛点の中から、筋膜が集約している一点を探し出してリリースを行います。
ムーブメントをしてもらう時もありますが、いろいろなポーズを取ってもらうことが多いです。
今回のケースは、頭蓋骨を回旋させたり頭蓋骨の縫合を動かしたりて、鈍い痛み(刺激)の質を変え続けることに時間を費やすことにより症状が改善しました。
最終的には「口が開きやすくなりました」「痛くなくなりました」というフィードバックをいただきました。

尾骨と仙骨を動かしたケースについては長くなるので割愛しますが、ロールダウンしても骨が床にあたって痛いという状態は無くなったそうです。

ちなみに、オープンパスメソッド(R)は、これまで偏頭痛や二日酔いの頭痛、内臓の痛みも改善してきました(正確には1回のセッションで7割から8割がた改善してきました)。
ケーススタディがしたいのですが、偏頭痛などは突発性なので、そうした機会が無いのが残念です。

お困りの症状などありましたら、お近くのオープンパス(R)アドバンスボディワーカーにお問い合わせください。

ティーチャーズインテンシブ「先生なら知っておきたいうごきと脳神経系のこと」★
定員6名です。



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