2019年09月04日

腎兪と大腰筋の関連?その1

先週おいでくださったクライアントさんからの許可を得てのアップです。

これまでこれ見よがしに「治った!」「改善!」「治癒!」など症例をブログにアップするのは性分に合わないし、ボディワークのセッションという性質から考えると、なおさらに「セッションの内容を開示する事は常識から外れる」という強いブレーキが働き、公にすることを良しとしませんでした。
でも、クライアントさんの許可があり、ケーススタディとなり得るのであればと考え、時々ブログに書くことにしました。

セッション以外で面識がある新規のクライアントさんでしたが「背中が苦しくて、腎兪を押すと気持ちが良い」とおっしゃられ、おいでいただく前にメールのやり取りで事情を伺っていたものの、いきなりの専門外の用語での訴えに多少驚きました。

「腎兪ってどこですか?」と伺うと、背中の腰背腱膜のあたりをご自分で押して「ここ、ここ」とおっしゃいます。
腰痛がなかなか治らない、胃腸が弱いのが悩みで、ここはいつものところよりも(金額的には)高いけれど、勧められたし、職場と自宅との中間地点で定期が使えるからとおいでくださいました。
クライアントさんとはある程度面識があるので本音でやりとりができて楽しい(笑)。

その「腎兪」のツボを押さえてみると、腰背腱膜のようでもあり、腰方形筋のようでもあります。
押す深さを変え、押す角度を変え、筋肉を活動してもらいつつ痛みの原因筋を特定していくと、なんと驚くことに「大腰筋」が痛みの原因筋だということが分かりました。

背中という主訴から脊柱起立筋かと思いがちですが、カウンセリングの段階でそれはないだろうとアタリをつけていましたが間違っていませんでした。

それにしても、腎兪のツボよりも随分と前側(腹側)にある筋肉のように思えますが、付着を考えると腰椎4番から第12番目の肋骨までが大腰筋の起始だし、腰方形筋に隣接するように存在する筋肉でもあるので、大腰筋が原因筋であっても不思議はありません。

仰向けで大腰筋リリース、横隔膜のリリースをしたところ、腎兪を押したときの刺激はかなり減っていて、ほぼ押された痛み(刺激)は無くなっていました。

ツボは東洋医学ならではの考え方だし、解剖学は西洋医学に端を発したものであるので、その関連性については、私は無知です。

でも、クライアントさんに選んでいただけるのであれば、持ちうる知識を総動員して問題解決に臨めば解決できるものだなと思ったケースでした。
このケースについて、第二段でもう少し詳しく解説していきたいなと思います(この先があるんです!!)。

ついでにお知らせを…
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単発参加をご希望の方も、参加申し込みの締め切りは9月17日ですのでお間違いなく。
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※日曜日は講座のためセッションはお休み、月曜日は定休日です
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2019年06月30日

クライマーのピンチ問題

寝る間も惜しんで仕事をしていた頃は、1/4くらいの割合でロッククライマーのクライアントさんがおいでくださっていました。
そのころは、わたし自身もクライミングに気持ちも時間もかなり、費やしていました(楽天ブログにもその片鱗はみえかくれしますが、こちらをご覧ください)。
頚椎症がひどくなり、今はクライミングをしたくてもできない状態ですが、夢の中では、それはそれは優雅にボルダリングしている夢を見ます。

現在は、職業の特定なく、いろいろな方々においでいただいています。

さて、先月の症例になりますが、趣味ではあるけれど、かなり真剣にボルダリングをしているクライアントさんからの主訴です。
<主訴>手の指を伸ばし気味の状態で何かをつかもうとすると、親指の付け根が痛いんです…

詳しく伺うと、いわゆる「ピンチ」をしたときに強く出る、とのことでした。
そこで、親指を動かす筋肉、それに関連する前腕の筋肉と痛みの原因筋を探ってみたところ、どうやら母指対立筋が痛いらしいのです。

母指対立筋の触察はできますか??こちらを参考にどうぞ



症状は、母指対立筋のリリースだけで収まらないのは当然です。筋肉は共同して作用しているのですから


小指対立筋はこちら



前腕の脇にも痛みというか違和感があって、自分で押していたという訴えでしたが、小指対立筋の停止をわずかに外れて豆状骨に付着している尺側手根伸筋に不具合が見られました。

この一連で、原因筋をリリースしていきました。
翌月きてくださったときには「全然いたくなく登れました!!」とのフィードバックをいただきました。
でもそれに気を良くして、また課題が変わる(クライミングウォールは、設置されているホールドの位置が定期的に変わります)ので追い込んだ様子で、またもセッションし甲斐のある様子でおいでくださいました(笑)。

ここのところ、触察が大切!!というお話をしていたのは、単なる宣伝文句だと思っていた方もいらっしゃるかもしれません。
その考えを今一度リセットして「これから数十年も施術していくにあたって、自分にとって有益な技術は何か?」を考えていただきたいと思います。

触察って、本当に、必要ないのでしょうか?
「うむ、触れば不具合がわかる、それ以上は必要なしだ!!」で、この先、ご自分が納得できますか?

今日はちょっとだけ、主張が強いブログにしてみました。

***新しい内容で、触察セミナーが開始します***
触察ベーシック1(骨格の触り分け・12時間)
概要:触察の準備、軸骨格、上肢骨格、下肢骨格の触り分け
日時:日曜クラス/2019年7月21日(日)スタート(6時間X2日間のセミナー)
水曜夜間クラス2019年7月17日(水)スタート(3時間X4日間のセミナー)
場所:東京都新宿区西新宿(新宿公園近く)
主催:一般社団法人オープンパスメソッド協会
参加費用:60,000円+税 別途 入会金6,000円(税込み)

触察ベーシック2(主な筋肉の触り分け・54時間)
概要:施術やティーチング、トレーニングに必要な主要90筋と骨指標、血管、神経
日時:日曜クラス/2019年8月4日スタート(6時間X9日間のセミナー)
水曜夜間クラス/2019年9月4日スタート(3時間X18日のセミナー)
場所:東京都新宿区西新宿(新宿公園近く)
主催:一般社団法人オープンパスメソッド協会
参加費用:270,000円今期のみ220,000円+税
別途 入会金6,000円(税込み)Basic1参加者は不要

申し込みは専用フォーム http://openpath.sakura.ne.jp/contact/contact.php
またはぺらいちからお願いいたします!
https://bodywork.openpathmethod.com
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ご希望のセッションと、ご希望日を第三希望までお知らせください。
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斎藤瑞穂公式サイト http://www.rolfingopenpath.com/
※日曜日は講座のためセッションはお休み、月曜日は定休日です
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2019年01月26日

まだ言葉にできない確信的なもの

トレーニングや講座で「伝えたい」と思いながらも、感覚的な表現や、体験で語るしかないような「技術」があります。

その一つに「共感」とか「共振」など(もうひとつ頻繁に使う言葉があるのですがその場にいないと出てきません)があるのですが、これは決して心理的な状態を示すのではないのです。
一体化というか、もう少し身体的な、言葉を離れたところで行う行為なのです。
うまく言葉にできない、なんともふわっとした感覚なのです。

話題は少し反れてしまいますが、最近また、文献を読み始めました。
それまでは、小川氏が山のように積んで読んでいたマーケティングの本を借りて、むさぼり読んでいました。
読み物としても面白く(事実は小説よりも奇なり)また深く納得がいく内容でした。
目を見張るような快進撃の事例にはどんな啓発書よりもワクワクさせられ、また狭く縮こまった自分の枠を広げてくれたのがビジネス書でした。手に取って読むまでは、ビジネス書の魅力を評価できていませんでした。
まだ読み残し(積ん読)本があるので、読むスピードを上げなくてはいけません。

ワクワクをひと段落させ、また文献を読み始めたのですが、これはこれでやはり面白いです。
自分の想像が単なる妄想ではなく、事実として証明できるのではないかと思えると、面白さが増してきます。
むろん、持論を支持するための文献を読んでいるのですからテンションもあがりますが、反駁できるよう持論を打ち消すような文献も読まなくてはいけません(ここでも、いかに自分がニュートラルな立場でいられるかを試されているような気がしてしまいます)。

そうしているうちに、自分が説明できなかった事象について科学的に(脳科学的に)それが証明されている文献を見つけました。脳画像解析データもあるようです。

「触れることでオキシトシンの分泌が促される」これについてはすでにたくさんの研究が行われ誰もが知るところとなり、マッサージでもエステでも足つぼでもその有用性が知られるところとなりましたが、ボディワークならではのソマティカル(身体―体性感覚的)な部分の研究はまだこれからという気がします。
こうした発見の楽しみがあれば、文字を読むこともそれほど苦痛には感じません。
ただ、時間が足りない…。

からだに直接触れなくても、親しい人とおしゃべりをするだけでもオキシトシンの分泌は促されます。
家族や恋人、親しい人となら、なんと電話での会話でも促されるそうです。コミュニケーションは大切!!そしてペットとのふれあいもオキシトシンを増やします♡

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<筋膜リリース コツのコツ> 3日間の週末集中コース − 日曜日
1月27日(日曜日)、2月17日(日曜日)、2月24日(日曜日)
10:00−17:00 (休憩1時間含む7時間)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
筋膜リリースの基礎を簡単に復習し、より効果的なテクニックを実現するための4つのメインテクニックの概要とコツをお伝えします。
第2回 2月17日(日曜日)10:00−17:00(休憩1時間含む7時間)
 午前テーマ:筋膜のとらえ方と圧の使い分け(筋膜リリース)
 午後テーマ:浅筋膜のリリース、および筋膜の硬縮、癒着、短縮の見つけ方
第3回 2月24日(日曜日10:00−17:00(休憩1時間含む7時間)
 午前テーマ:コンパートメントリリース(触察練習を含む)
 午後テーマ:全身リリースのためのリリース構成(どこから始めるか、どのテクニックでリリースするか。45分間のセッションを想定)
受講料:3日間連続参加/1日16000円X3日 合計51840円(消費税8%含む)
単発参加/1日18000円 合計19440円(消費税8%含む)
対象者:筋膜リリースの経験がある方ならどなたでも(初めての方はお問合せください)
〆切2019年1月20日(単発は開催日の一週間前)
<オープンパス身体教育研究所から修了証が発行されます>
"http://openpath.sakura.ne.jp/contact/contact.php"
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