2024年03月23日

人は自分を惹きつけるものを探し当てるのでは

先日、あるワークショップに参加しました。
しばらく前から気になっていて、開催日の一週間ほど前に「まだ空きがあれば参加をさせていただきたい、でも自分に参加資格があるのか不安である」という主旨のメールを主催者宛てに送りました。

数時間後に、とても丁寧なメールが届きました。
こちらの問い合わせに、自分の経験や参加者の体験談、そして専門的な知識を含めて回答してくれました。
とてもハートフルな人だなと、その人柄を信頼してワークショップ参加を決めました。

結果は大正解でした。
大きな団体に所属しない個人が行っているワークショップでしたが、会の大きさや知名度は絶対ではないと、ここでもまたそう思いました。
こういう事(仕事とは関連しないワークショップです)に興味がある人ならば誰でも知っている米国の某団体とは関わらず、淡々と自分の信じる活動をつづけている方で、サイトでは独自の方法であることを明言していました。
必要最低限のことしか書かれていないシンプルなサイトでしたが、知る人ぞ知るの人物だったらしく11名の参加者がありました。

会は自己紹介から始まりましたが、卒業生の一人が「本当はこちらで技術を学びましたが、英国式も少しかじったので英国式を名乗っています」と発言すると、英国の有名団体の名前を使っていることに不快な様子もなく「僕の名前を言っても誰も知らないだろうから、英国式〇〇でやっていったらいいよ」とおおらかに受け入れていました。
参加者の数名は、大手団体とこちらに参加経験のある人でしたが、大手のワークショップに行くと、たったひとりで行っているこの方(以下Kさん)の話が出て、Kさんの話題で盛り上がるそうです。
ああ、わかるなあ、とすごく納得しました。

みんな、彼のことを「愛の人」と呼んでいました。
Kさんの書籍は基本的に硬質で理知的な内容なのですが、その中にちりばめられる等身大の彼の思い(恐ろしがったり悲しんだり、喜びにあふれたり、楽しかったり)が真正で好感が持てました。
実際にお会いして、文章どおりの人だと感じました。

人を惹きつけるものは何だろう?
と考えましたが、何かが人を惹きつけるのではなく、自分を惹きつけるものを、それぞれが鼻を効かせて探し当てるのだろうと思うのです。
一輪の小さな花にも蝶が止まるように。

自分の周りの人物は自分を反映している、とよく聞きます。
そうだなと思うこともあれば、いや、反面教師として現れたんじゃないのと思う事もあります。
人を惹きつけることを意識するといわゆる「差別化」「コンテンツ重視」に偏りそうになります。
わたしも「選ぶ側」になることがありますが、自分に合うものを見つける時はきっと、意識に上らないところで別の要素で選択を行っているのだと思います。

お手本となる人はそうそう現れはしないけれど、要所要所で何かの采配によって、定めて誰かが手本を見せてくれる。
良い手本と見比べて自分を反省し、変えていくことができるのは幸いです。

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2023年09月10日

想われるということ

最初の仕事(会社員の仕事)を辞めるとき、先輩にあたる人が真顔で「本当に困ったときには言えよ。借金の保証人くらいにはなってやるから」と言ってくれました。
その時は、この言葉の重みが理解できず「ありがとうございます」と形式的に答えました。

ある時は、いくつも年上の人に「祈ってるからね、頑張ってね」と言われました。
その時は「祈るくらいなら誰にだってできるじゃない」と、少し寂しく、拗ねた気持ちになりました。

自分が先達と同じような年齢や立場になり、こうした言葉がいかにありがたかったかがよくわかるようになりました。
特に、神仏にお参りするときに「祈ってるからね」という年上の女性の言葉がいつも頭に浮かびます。
その言葉がその場限りでなく、こころからの言葉であったら、なんと尊い気持ちだったか。

親兄弟など身内が幸せであるように祈る、これは全く珍しいことではありません。
でも、血縁でもない赤の他人の幸せを願う、これは相手を大切に思わなければ絶対にできない行為です。
そう考えると、自分の知らないところで誰かが自分の幸せを願ってくれる、こんなにもったいなことはないなと今ならばしみじみと思えます。
それは、特定のご利益があるという神社にわざわざ参拝し、そこで自分以外の幸せを願うということを始めたからこそ分かったことです。
相手の立場に立つまでは感謝の気持ちすら浮かびませんでした。

運がいいとか悪いとか言いますが、味方をしているのは神様だけではないと思います。
むしろ知らないところで幸運を願ってくれる誰かの念のほうが、より直接的に幸運をもたらしてくれるように思うのです。

果たして誰かがわたしの幸せを願ってくれているのかなと考えました。
密かに誰かに応援されたいものだと思いましたが、そうなるためには何が必要なのかが分かりませんでした。
世の中にはひとりかふたり、奇特な人がいて、祈ってくださっているのかもしれません。


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2023年07月15日

なんとなく、近況報告したくなりました

ブログの更新が滞っていました。
決してさぼっていたわけではありません。
滞りの原因のひとつは、ツイッターの投稿に時間を割いているということ。
でも、書きたいけれど心情的に気持ちがのらず書けないというのが一番の原因でした。

人間なんて、そうそう変わらない、という言葉をよく耳にします。
そうだとも思い、それは違うとも思います。

実は、そうそう変われない停滞の時期を、悪あがきをしながら過ごしていました。

アドラー心理学は、その人のものの考え方(一般的に性格と表される、物事に対する対処の傾向)はいつでも変えられるとし、性格と呼ぶ代わりに「ライフスタイル」と呼びます。

ライフスタイルは変えられるとわたし自身は信じていて、何か問題が起きた時の反応を変えよう変えようと努力を続けてきました。
スピリチュアルな考えを用いてみたり、趣味嗜好を変えてみたり、続けていたことを止めてみたり、始めてみたりと、苦しみから少しでも逃れたいと、とにかく闇雲にあれこれと試しもがき苦しみました。
亀の歩みのように、螺旋階段を登るように変化は起きていたのかもしれませんが、本人としては全く変化の兆しがみえず暗中模索の日々で、夜中に目を覚まして過去を悔いたり将来を案じたりと、眠れなくなることも度々でした。
自分が嫌で嫌でたまらず、好まない方向に堕ちていくように感じ、居たたまれない日々を過ごしていました。

世の中の情勢や、年齢、環境などが重なり、この数年間とにかく、独り深く悩んで過ごしていました。
うっそうと木々が茂り光も射さず、下草で足元が見えない山をひとり頂点を目指して上り、日の光の加減で頂点はもうすぐだろうと土くれを踏みしめる足に元気が戻る、そんな日々を過ごしています。
若くて勢いがあり、また頼れる人たちが健在だった頃には経験しようもなかった険しい道のりでした。

それでも、苦しみはいつか終わるのだなと、目の前の霧の向こうにうっすら光が見えるような、そんな日々が来ているようです。

何がきっかけで抜け出せそうになったのかと聞かれても、答えようがありません。
きっかけなど全く思い浮かばないし、無いのだと思います。
ただただ、その時期が緩やかに、潮が満ちるように訪れているような感覚があります。
忘れていた何かが戻ってくる感覚、それも淡い薄衣の色が少しだけ、ほんのり少し色づいて戻ってきたイメージがあります。

夜明け前が一番暗い、とか、必ず夜は明けるとか、this shall pass,too(これもやがて去る)とか言いますが、こうした言葉を身を以て経験しました。
本当に辛かった。
生きるのを止めてしまいたいと思ったことも、何度もありました。

無責任に言えることではありませんが、これを読んでくださっている方が同じような気持ちで日々を過ごしていらっしゃるとしたら、お気持ちはお察しいたします。
わたくしごときが偉そうに言えることでは決してありませんが、でも、きっといつか、抜け出る日が来ると思います。
久しぶりのブログでは(長文のブログを読んでくださる方は貴重です)旧友に話しかけるような文章にしたいと思い、正直なところをお伝えしました。

個人的な、面白みの無いブログをお読みいただきありがとうございます。
恥をさらすようなこんなブログを公開するべきか悩みましたが、公開しないと先に進めない気がしました。
お付き合いいただき感謝申し上げます。

今後とも、オープンパス、そして斎藤みず穂を、どうぞよろしくお願いいたします。

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