2012年07月25日

表層筋膜?

業界(SI業界)では「表層筋膜」という言葉が当たり前のように使われていますが、解剖学的には「表層筋膜」という専門用語は無く、「浅筋膜」が「表層筋膜」に当たる用語になります(ただし浅筋膜≒表層筋膜)。
「浅筋膜」は表層を覆いますが、一部は腱膜や支帯になります。
「深層筋膜」も業界用語です。
「深筋膜」が解剖学的表現で、類似の働きをする筋群を包んでいます。
違う働きをする筋群との間で仕切りを作ります(筋間中隔)。
これらについては本日の第六期オープンパス認定パルペーショントレーニングで小川氏が簡易に説明をしました。

ネット検索していたら、こんな表現を見つけました。
・・・「表層筋膜」に複数の筋肉が包まれています・・・
→「複数の筋肉が包まれている」のではなく、「浅筋膜」は全身を覆っています。筋肉を包む「深筋膜」と「浅筋膜」は異なりますし、「表層筋膜」という表現はSI業界に特化したものですが、治療家の方にも浸透し始めているようです。

例に挙げてしまったサイトに対して誹謗、中傷するつもりは一切なく、不特定多数が閲覧できるウェブ上に情報を掲載するというのは、本当に難しいことだと、同様の立場として深く理解をしています。
それにも関わらず文章を引用して説明したのは、「表層筋膜」「深層筋膜」がためらいなく記述されている昨今、それらが正式な解剖学用語だという誤解を解きたいと思ってのことです。

共通言語での説明能力を持ちつつ業界用語を駆使できる柔軟性を持つことで、わたしたちボディワーカーはボディワーク業界と社会(解剖学語が共通言語である社会)との橋渡し役になれるのではないかと考えています。


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posted by MSaito at 02:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディワーク

2012年07月12日

可塑性と学習

神経システムには自己組織化する能力があり、これを「可塑性(neural plasticity)」と言うが、身体表現者やアスリートが思うような動きを手に入れるためには、慣れない動きを通じて新たな動きを「学習」することによりニューラルネットワークを形成しなくてはならないのである。
神経システムには生得的なものと学習によるものがあるが、巧緻運動(巧緻運動の説明)は学習により形成されるため、ニューロンのシナプスの可塑性を高め、情報が通りやすい状態を作り上げるのである。
運動身体学的見地から言葉の誘導の意図を探るのならば、言葉の働きかけを援用して身体意識に働きかけを行っているからである。

クライアントの身体図式の変化に大きく貢献するのは体性感覚受容器の中でも固有覚として分類される、筋や腱に存在する受容器である。
とりわけ筋紡錘への刺激(触れる、触れないに関わらず運動を起こさせることによる刺激)が局所的であっても、運動により生起された変化は身体全体に影響を及ぼす。
右手に重いと感じる程度のかばんを持っていることを想定してほしい。
まずは、右手が地面に向かって惹かれるように感じるだろう。
筋紡錘が一番感じやすいのは伸長(伸び)である。
そして、重さに伴って(筋紡錘への刺激)全体のバランスを取るように身体全体が左への重心移動をし、身体の中心を保つことからも、刺激の影響の大きさがうかがえるだろう。
もちろん、視覚や前庭感覚(脳内のバランスを司る器官)も変化に関与しているが、いずれも後述する身体図式の変化と密接に関わっている。


身体表現者のための身体内感援用法』より


理学療法士のクライアントさんとの会話で可塑性についての話題が出たことから、再び脳の働きについて考えさせられました。
継続的に勉強していく必要を痛感しました。

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posted by MSaito at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディワーク

2012年06月25日

動作の改善・習得

 動作を改善することは、その動作を支配する神経回路を組み換えることです。通常、改善の対象となるのは習慣的な動作であり、そのような動作ほど神経支配が確立されているため、変化を起こすことが容易ではありません。

 習慣的な動作を改善するときには、筋感覚的運動イメージ(kinesthetic motor imagery)を用いると有効です。それは筋感覚を伴った動作遂行のイメージです。要するに、動いている自分を内側から、つまり主体的にイメージすることです。

 また筋感覚的運動イメージは、習慣的な動作の改善だけではなく、新たに複雑な動作を習得するときに用いても有効です。動作の複雑度が高く、そのイメージが上手く描けない場合には、動作を単純な要素に分解するとよいでしょう。

『これがボディワークだ 進化するロルフィング』p128 日本評論社

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posted by MSaito at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディワーク
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