2016年04月11日

単なる健康法を超えて身体をとらえるために。

・・・「この触感的な物の存在は、視覚的に空間内に配置される存在とは別様である。空間的に見たとき、物のかさばりとして感じられるのが、触覚的に在ることの境界である。空間的な輪郭を描いて、それに不可するようにものに量感をもたせるのではない。むしろ逆に、触覚的な量感そのものに触れるように、かたちを取り出すのである。このときかたちには、微細さやキメの細かさではなく、ある種の反発する力強さと弾力が前景に出る。物が触覚的にあることに届かせようとすると、物のもつ内圧、身体のもつ内圧のようなものが出現する。身体はみずからこのない且つを感じる内感でもある。こうしたな内感に届かせようとすると、色にもデッサンにも固有の工夫が必要となる。マティスはこうした触覚性の物の輪郭に迫ろうとしている。

・・・「この構成には、現実の物と作品が離れすぐてはならず、近すぎてもいけないような微妙な均衡点があるに違いない。しかもその均衡点は、一つには決まらない。その均衡点をかたちと色から探り当てるところが、それぞれの作家の才能であり、資質である。かたちにイメージをつうじた変形可能性を導入してしまうと、かたちの任意性に応じて、セント色の分離が起こる。たとえば線を一本引けば、この線がかたちを作り出すなら光との関係で内、外の関係が出現し、光と影の関係で色合いに違いが生じる。物が光の中にあるということの否応の無さが色の違いとして出現する。しかしかたちの任意性は、こうした線と色の分離をもたらしてしまう。この分離をマティスは、色の配置として再度別様に活用することになる。」

『<わたし>の哲学』 河本英夫著 角川選書

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オープンパス パルペーションインテンシブセミナー次回は<4月17日(日曜日)です>
時間枠:10:00−13:00 14:00−17:00 各3時間
会場:オープンパス・オフィス(東京都新宿区西新宿4−32−4)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
毎回のカリキュラムはこちらをご覧ください。http://baucafe.sblo.jp/article/172739339.html
オープンパストレーニング公式サイト http://openpathmethod.com
斎藤瑞穂の個人セッションのサイトhttp://www.rolfingopenpath.com/
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posted by MSaito at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディワーク

2016年03月26日

ソマティクス―概要とテクニック

しばらくブログが更新できていませんでした。
ボディワーク関連のカテゴリーで情報がアップできていなかったので、今回は、先週行われたよみうりカルチャー恵比寿での「気軽にできるボディワーク」講座から、ボディワークの核となる「ソマティクス」という概念とテクニックについて書いてみようと思います。

前半の講義の部分では、身体を表す言葉をいくつか挙げて、そのニュアンスの違いを説明しつつソマティクスの語源となっている「ソーマ」に対するイメージを膨らませていただきました。
body 外殻
fresh 生々しい(生き生きとした)肉体
meat 食肉
kinesis 物体の動き
amatomy (魂を持たない)身体の解剖体
soma 精神、感情、感覚を含む身体。

私がアメリカに住んでいたとき、ちょうど「北斗の拳」というアニメが流行っていて、「オマエはすでに死んでいる」というお馴染みのセリフは「you are dead meat」と訳されていました。ここには人間としての尊厳を持たないそれ以下の肉体としての意味合いが含まれている事を考えると、なるほどと後ほど関心しました。

さて、somaは「全人的な身体」と考えることができると思います。
パーツの寄せ集めでは再現できない、その人を構成する大きなくくりによって出来上がっている身体、それこそがsomaだと定義できます。それゆえ唯一無二であり、血の通った身体であり、それまでの経験により形成された身体だと言い換えることもできます。

このsomaを扱うテクニックこそがボディワークであり、他の身体を扱うテクニックと一線を画している大切な部分でもあります。
ソマティカルワークは概念的には「全人的に個人を扱うワーク」ですが、テクニックは当然ながら身体に働きかけるものとなります。
心理面のみに働きかけるのであれば、それは「全人的な」ワークとは言えず、過去にこだわるのであればそれは現在を生きる身体を置き去りにすることになります。ひたすら感覚をするだけでは脳の回路に変化は起こらず新しい身体への探求の道は閉ざされます。

ですから、ソマティカルワークは感覚と動きを中心に据えたワークでなくてはならないのです。

具体的なテクニックについては、オープンパスの「ソマティカルワーカー養成トレーニング」でのみしかお伝えできませんが、簡易なテクニックはカルチャー講座でもお伝えしています。
オープンパスのメイン講師である小川隆之がその様子を動画で撮影していましたので、興味をお持ちいただけましたら参考にしていただけましたら幸いです。
私自身は動画に撮られるのがとても苦手で公開されるのも遠慮したいというのが本音です。
滑舌の悪さや言葉がスムースに出ない場面などはどうぞご容赦ください。



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オープンパス パルペーションインテンシブセミナー次回は<3月27日/日曜日です>
時間枠:10:00−13:00 14:00−17:00 各3時間
会場:オープンパス・オフィス(東京都新宿区西新宿4−32−4)
講師:小川隆之、斎藤瑞穂
毎回のカリキュラムはこちらをご覧ください。http://baucafe.sblo.jp/article/172739339.html
オープンパストレーニング公式サイト http://openpathmethod.com
斎藤瑞穂の個人セッションのサイト http://www.rolfingopenpath.com/
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posted by MSaito at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディワーク

2014年06月08日

似て異なる/学び/中空

似て異なることは山ほどあるのに、異なるところを理解しようとする人は少ないように思います。
確かに、新しい事は既存の事をベースとして生まれますが、全く同じものは生まれないはずです。

全く新しいものが生まれる時、それはそれで慎重に対処するべきかもしれません。
というのは、そうした「従来にないもの」はいわゆる「啓示的」にある一人のひと(または志を同じくするグループに)突然に脈絡なく舞い降りるものだからです。
それはどこからもたらされたものなのか。
多くの場合、それは目に見えない存在からもたらされたものとして世に広められます。

新しいものを提供する側は、その新しさを周囲に知らしめる方法と技量を合わせ持つ必要があります。
単に目先を変えたり、技術提供の方法を変えたりする程度では「新しさ」にはなりえません。
それがどういうレベル(層、深さ、細部、段階)で従来のものと違うのか。
その違いが技術をどう変化させているのか。
技術による結果は、実質上、どれほどの恩恵をもたらすのか。
こうしたことを総合的に体現的に示すことができて初めて、新たなメソッドとして提供できるのだと思います。

一生を通じて自分は学ぶ立場であると感じているのですが、数年前に再び学生として学びの場に戻った時に「理解が浅いほど表面的な理解を求める」傾向が強まることに気づきました。
自分にとって理解しやすいキーワードに飛びつき、とにかくそのキーワードに関連することでなおかつ自分の理解が及ぶことを、次から次へと求めました。
時間がたっぷりとあった学生時代であれば、試行錯誤しつつ学ぶことが本業の学生に適した学習法であったのだろうと思いますが、社会人学生であった私にとっては好ましくない学習法でした。

まがいなりにも伝える立場に立つことがある今、すでに見知ったことに執着してしまう大人、あちらへこちらへと興味や嗜好が移り変わる大人と接するたびに「違いを理解すること」と「掘り下げること」への大切さをどうやって伝えたらいいのかと悩みます。

掘り下げていけば自然と枝葉が生まれてくること、自らを空洞にすること、そう考えていて、なるほど何事も中空が良いのかもと宗教的な考え方にたどり着いてしまいました。
偉そうなことは一切言えず、私自身が右に左にと大きく揺れている状態であることに間違いはありません。
オチの無いブログとなってしまいましたが、これはこれで良しとしてアップします。


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7月13日(日曜日)パルペーション公開セッションを行います。
詳細はこちらでご確認ください。
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