そのため、内容が重ならないよう毎回ちょっとした工夫をしています。
前期がリリース中心だとしたら、今期はムーブメント中心とか、演習の意図を変えてみたり、リリースの方法を変えたりします。
テキストとなる『ボディワーク入門』に無いテクニックを加えたり、分かりずらい部分を詳しく解説したりもします。
今期はセルフリリースに力を入れようかと考えています。
セルフリリースの部分に関しては、拙著の副題の「ロルフメソッドに学ぶ」とは関連しないため、あまり積極的にカリキュラムに取り入れてきませんでした。
基本的にロルフィングはワーカーがクライアントに対して行うものなので、セルフリリースはこれに当てはまりません。
でも、自分の身体を自分で楽にしてあげられるのであれば、それはそれで十分に役に立つテクニックだと思うのです。
今期はヨガインストラクター、ピラティスインストラクター、中国拳法を学んでいる方など身体技法に興味がある方が参加してくださっているので、ソマティカルなセルフリリースをお伝えしたいと思いました。
カルチャー講座は誰でも楽しめる内容であることが中心になるので、難易度は挙げられませんが丁寧にお伝えすることは可能です。
セルフリリースはやりようによってはエクササイズやストレッチになってしまいますが、ボディワークとして行うための演習を取り入れてみました。
テキストの文章を読んで、言語として理解をするのではなく、○実体験を伴わせる ことにより ○体験の共有をする ことができる内容に深めてみました。
「背中に呼吸を入れる」テクニックでは、背中と床との接地の変化を感じてもらい、実体験を踏まえたうえで、改めて座位で演習を行いました。また、感覚の振り分けを細かく行っていただいたり、知覚を利用したりしました。
セルフリリースを行いながら、ご自分の構造についての理解も深まったのではないでしょうか。
カルチャー講座の前には、いつもどんな内容に発展させようかと悩みますが、一旦講座が始まってしまえば、受講生の方からご質問をいただいたりしつつ、内容の方向性が決まる気がします。
そういう意味では、講座というのは水物(流動体)のような印象があります。
