2013年04月25日

主観こそがエビデンス

昨日、今日と二日続けて同じようなコメントをクライアントさんからいただきました。
ワーカー側としては当たり前に思っていても、クライアントさん側からすると不安に感じる発言というのがあるようです。

オープンパスメソッド(R)はクライアントさんの主訴を中心においてセッション構成を考えます。
セッションの最中ではセッション(筋膜に対してアプローチをすることもあれば、言葉の誘導で動いてもらう場合もあります)の間、何度か立ち上がってセッション前後の変化を確認していただきます。
立位のみではなく、問題を感じる体位を再度とってもらい、セッション前との違いを探していただきます。

変化が起こると「何かが違うけれどどこか分からない」に近いフィードバックと、的確に変化があった部位を言語化してくださるフィードバックと、大きく分けて2種類になります。
的確なフィードバックがある場合は、その言葉を「エビデンス」として更にセッションを続けます。

エビデンスとは、数値に表せるような客観的な事実を示す言葉であるのが通常ですが、不快感や不都合を感じている本人が「良くなった」と感じる以上のエビデンスが果たしてあるのかと、現代科学に疑問を感じることがよくあります。
オープンパスメソッドでは、クライアントさんの感覚と実際の構造/機能に大幅な差異がなければクライアントさんの感覚をエビデンスと同等に考えます(数字や数値はあくまで数字や数値とみなします)。

セッションを進める段階においてクライアントさんからいただいたフィードバックは非常に貴重な情報源となります。
先日、本日ともクライアントさんから「口うるさくてすみません」「あれこれ面倒ですみません」という謝罪がありましたが、それこそがワーカーにとって必要な要素です。
ワーカーは「聞かずとも全て分かり当ててしまう」ような権威である必要はありません。
クライアントである個人への共感を持ち、全ての可能性に対してオープンでいる勇気が必要です。
マニュアルやこれまでの経験への過度な傾倒を持たず、権威的な存在に押しつぶされることのない自由さを以てセッションに取り組む柔軟性を持ち合わせていなくてはいけません。

ですから、クライアントさん側には遠慮なく感じたそのままを伝えていただきたいのです。
痛みの場所、痛みの種類、セッション後の経過、日常で気づいたこと、ご自身の身体に関わることでしたらなんでも構いません。
オープンパスのワーカーは、たくさんの情報の中から必要な情報を取り出し、その日のコンディションや主訴に見合ったセッションを提供します。

ワーカーに気を使わず、クライアントさんの声を届けてください。
セッションゴールはクライアントさんに決めていただきますが、そこまでの道のりは一緒に歩みます。
そしてその間に学びがあります。
私たちは皆、クライアントさんに育てていただいています。

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この記事へのコメント
うん…(うなづく)、そうそう…(またうなづく)

最後のところではその通りだな!

という感じで読ませて頂きました


Posted by Carolfing at 2013年04月25日 02:03
Carolfingさん、コメントありがとうございます!

証明するためにはエビデンスが必要であるというのは体制や大衆を対象にした時には仕方のないことだと思いますが、エビデンスを活かした対処ができているかどうかはワーク(施術、治療)する個人に委ねられます。

エビデンスの中にはクライアント(患者)の感覚が組み込まれていなければ何の意味も持たないと思います。
数値が低いから健康、数値が高いから不健康、そんな判断では個人がもつ振り幅は顧みられていません。

数値では現れないけれど、不自由さを感じている方は多くいらっしゃいます。
そうした方たちに、適切なワークができたら良いですよね!
Posted by 瑞穂 at 2013年04月27日 00:50
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