A. ピラティスはもともと怪我のリハビリテーションを目的として創始、開発されていったそうですが、現在では「体幹を鍛えるエクササイズ」として注目されることが多く、からだを動かして筋肉を鍛えたり、上手にポーズをとったりするようなトレーニングとして20代から40代の女性に人気だそうです。
ピラティス以外にも「ボディワーク」や「ボディワークメソッド」と紹介されることが多いのがヨガですが、詳しい方からお話を聞くと、ピラティスもヨガも流派によって教え方や誘導の仕方が全く違うそうです。
ボディワークとして紹介されることが多いスタジオは、動作の最中の自己観察に価値を置いているからではないでしょうか。
この自己観察とは、いわゆる「ソマティックエクスぺリアンス=体性感覚による体験」です。
体性感覚が捉える「感覚の移り変わり」はボディワークの核であり要ですが、この経験はボディワークのみで得られる特権的体験ではなく、身体内感で体験をなぞるすべてのメソッド、エクササイズ、身体表現に共通のものです。
ただし、ボディワークとピラティス、ヨガとの決定的な違いがあります。
それは、ピラティス、ヨガにははっきりとした目的や思想があるということ。ボディワーク(この場合はソマティックエクスぺリアンスと言い換えたほうがいいかもしれません)にゴールはありません。
体験そのものが目的と言った方が正しいかもしれません。
つまり『ボディワークで必要なのは…「気づき」です。より正確に言うなら「気づいていること」です…体性感覚的な「留意」です※』
目的や思想、思考(心理的解釈)へ向かうことなくただそこに起こる体験を存分に享受する体験が本来のボディワークです。
(しかしながら目的無しにセッションは成立しませんから、便宜上の目的は作ります)
ピラティス、ヨガとボディワークは「体性感覚」というキーワードでつながっているのですから、親戚同士くらいの近さだと考えてもいいのかもしれません。
※『これがボディワークだ 進化するロルフィング』日本評論社 p149
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