2012年05月24日

鎖骨骨折、手術と構造の変化

ロルフィングのポスト10セッション(メンテナンスセッション)を受けてくださっているクライアントさんとのセッションで、自分の触察の甘さを痛感し、外科手術による構造の変化を目の当たりにしました。

「首が前に出てきたようだ」というコメントをいただき、頭部前方位の改善を今回のセッションゴールに設定し、セッションを進めました。
肩甲下筋をリリースしようと触察したところ、烏口突起が見つかりません。
ベーシック10セッションで肩甲下筋のリリースを行ったと記憶しており、その時にも同様の触察を行ったはずなのですが、烏口突起が見つからなかった記憶はありません。
慌てて鎖骨からたどり烏口突起を探し、小胸筋を確認し、腕筋群を…と幾つかの手順で烏口突起を確認しましたが、やはりありませんでした。
以前のセッションでは漫然と触察していたのかもしれないと深く反省をし、クライアントさんにお詫びしました。

烏口突起が無い側は、10年以上前に鎖骨骨折で外科手術を一度行っており、その後にも二度の骨折を経験し、その時は自然治癒を待ったそうです。
鎖骨体と烏口突起を同時に骨折してしまったのかもしれません。
外科手術は「骨折部位どうしがあまりにも離れているため」という説明があったそうです。
小胸筋腱はろっ骨に付着しており、上腕二頭筋の腱は大胸筋の下までしか触察できませんでした。

烏口突起が欠損している前提でクライアントさんのこれまでのコメントを振り返ってみると「常に骨折した側の肩が凝る(僧帽筋上部の過度の緊張)」「左の肩甲骨および左腕の下垂」「三角筋や大胸筋鎖骨部の緊張」など非常につじつまが合います。
烏口突起をきちんと触察できていれば違った方法でセッションができていたかもしれません。
幸いにもリリースが必要な肩甲下筋をリリースできていたのでよかったのですが、今後はソマティカルな要素を強めたローテーターカフに焦点を定めたセッションをしなくてはいけません。
クライアントさんの「問題」はアナリシスでみえるより、もっと複雑な場合がほとんどです。

ちなみにこちらのクライアントさん、鎖骨を骨折していて左の腕が動かせないのに3時間半の道のりをご自分で運転して自宅に戻られたそうです。ウィンカーを出すのに苦労したそうです。


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この記事へのコメント
転倒して右肘を骨折していたのに

車のエンジンをかけようと

keyを回そうとした時

激痛が走ったのを思い出しました


腕を回せないので

身体全体を右に回すようにして

エンジンをかけましたね〜(笑)




Posted by Carolfing at 2012年05月24日 11:13
Carolfingさん

その後、肘の調子はいかがですか?

「腕を回せないので身体全体を右に回すようにして」

の様子を想像してみましたが

とてもかわいらしいお姿が浮かびました(にっこり)。
Posted by 瑞穂 at 2012年05月27日 12:54
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