○感覚 sensationという言葉は、語源であるラテン語のsensusであり、この言葉には「感覚」と「意識」の二議がある。
○知覚 perception という言葉は「集める、受け取る」などを意味するラテン語の reception に由来する。
○観念連合説における知覚の成立は「感覚が知覚から成立する」であり、現代の心理学でも同様の枠組みで知覚の成立を説明しようとしているが、「感覚」と「知覚」の概念の曖昧さが原因となり、複数の論点が混在する。
○この混乱の大本にあるのは、知覚と意味との同一視である。
個別的な知覚の間に類似性を設定することが「意味」の成立である。知覚が意識的に変更できないのに対して、意味づけは意識的に変更することができる。
参考(抜粋)とした山口裕之の説では、知覚と意味についての定式を新たにすることにより、「感覚から知覚へ」という観念連合説の哲学的知覚論を「知覚から意味へ」という枠組みに整理しなおさなければならないとする。そうすることで、意識的経験における認識の発生過程を明らかにすることができると述べている。
