2012年02月13日

幼児教育とボディワーク

「優位的運動においては、子どもが常に自分でやってみることがたいせつである。
それには強健・機敏・自信が必要である。たとえば狭い小道を通ったり、深淵に臨む絶壁や、ゆらゆらする第の上を歩いたりできる事が必要である

とカントが述べたのは、まぎれもない体性感覚が働いた上での巧みさについての記述である。
自ら感じたその感覚、運動を繊細に感じ分ける能力が体性感覚である。
位置感、運動感、抵抗感、重量感などは主観的に観察するほかなく、選手がどのくらいの重さを感じているのか、距離感を感じているのかは第三者的には推し量ることができないのである。



強制的な体育教育を導入する以前に、自ら感覚する行程の必然性と重要性が説かれるべきだと思うのですが、そうした考えは目新しいものでは決してなく、18世紀にはその萌芽がみられます。
今日の体育教育に関する知識はありませんが、小学生の子供を持つ母親から話を聞く限りでは、小学校の体育教育は画一的で順位にこだわる傾向にあるようです。
ソマティクスプラクティスの拡張のひとつとして、幼児教育の見直しと充実があるのではないかと思う今日この頃です。

最近、ソマティクスとトラウマワークとを混同している方たちがいらっしゃるようです。名称はさておき、サイコセラピーを日本で(正統に)行うためには臨床心理士の資格が必要な場合もあります。外来のセラピーを安易に取り入れることの不安と、外来のセラピーに対する無防備な受け入れ態勢に疑問を持たざるを得ません。
サイコセラピーをボディワーク/ロルフィングに取り入れられるとは思いませんが(そうした場合、それはボディサイコセラピーなのでしょうか、ボディワークなのでしょうか?)それでも敢えて取り入れる場合はいかなる接点においてなのか、とても興味があります。


イマヌエル・カント『カント全集』第十六巻「教育学、小論集、遺稿集」尾渡達雄訳 (思想社、1966年) p50


2月26日(日)オープンパス認定ボディワーカー養成トレーニングのデモンストレーションを行います。デモンストレーション見学希望の方、トレーニング資料をご希望の方、お申込みははこちらでお願いいたします。

posted by MSaito at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ボディワーク
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