2022年04月20日

触察&ボディワークメール講座【スマホ首、どう対処する】より

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スマホは生活必需品となり、かなりご高齢と思われる方々でも、その動作はゆっくりゆっくりですが、利用されているのを見かけます。
年齢問わず、スマホを使わずに生活している人のほうが稀有です。

スマホ利用が原因と思われる首こり、肩こり等の慢性不快感についてのご相談を受けることも多々あり、ワーカー観点から効果的なリリースについて考えてみました。

触察&ボディワークメール講座
【スマホ首、どう対処する?】ー何筋をねらって緩めますか?ー


【頭は体重の10%の重さ】
ヒトの頭の重さは、成人でその体重の10%程度だそうです。
50キロなら5キロ、80キロなら8キロ程度でしょう。

視線を落とすなどして頭部の位置が移動すると、頭を支えている頸部や肩部、背部に負担がかかります。
重さで換算すると、

0度で4〜6キロ
15度で12キロ
30度で18キロ
45度で22キロ
60度で27キロ

なのだそうです。

まっすぐ前を見ている状態でも4〜6キロ
少し視線を下げると12キロ
顎を引いだ状態で18キロ
スマホや本を読んでいる状態で22キロ
電車の座席やベンチに深く腰を下ろしてスマホを見ると27キロの負担がかかる、
そんな様子を想像しました。

original.jpg

【スマホの姿勢を何と呼ぶ?】
手元のスマホの画面を集中してみている時、特に背中を丸めてみている時は、
◎顎が突き出て
◎首の後ろが縮み
◎肩甲骨が内側に寄っています。

この姿勢を「頭部前方位」と呼びます。

解剖学的な表現に変換すると、頭頚部の伸展、肩甲骨の挙上、肩甲骨の内転が同時に起こっている状態です。

【肩こりは僧帽筋がダメな理由】
セミナーの最中によくいただく質問に「肩こりというから僧帽筋を施術したけれど効かない」があります。

もしかしたら、別の筋肉を狙ったほうが良いかもしれません。

でも、僧帽筋の働きは「頭頚部の伸展」そして「肩甲骨の挙上」「肩甲骨の内転」だから、間違っていないんじゃないのか…そう反論されそうですが、

頭部前方位のケースでは、体幹は前に倒れ、なおかつ頭頚部は60度前方に移動していることを忘れてはいけません。

【人はまっすぐ姿勢で生活しない】
体がまっすぐな状態で肩をすくめる筋肉と体を前に倒した状態で肩をすくめる筋肉は同じでしょうか。
もちろん「肩甲骨の挙上」の働きは、肢位に関わるものではありませんが、働きの優位さには違いが出ます。

体がまっすぐな状態で働くのは肩部、倒れた状態では、むしろ肩甲骨側の筋肉が強く働くことに気づいていただけると思います。

解剖学をご存じの肩ならば、地面に対して0度であれば僧帽筋の下行部が優先的に働き、体幹を60度ほど前方に屈曲した状態で働くのは僧帽筋の上行部そして菱形筋であることが体感できるだろうと思います。

【後頭下筋群はインナーマッスルだから大切のウソ】
残念なことに、未だインナーマッスルが重要であるという根強い考えがあります。
浅い位置にある筋肉より深い位置にある筋肉の方が複雑な動きを担うので重要である、という信じ込みです。

存在する筋肉は全て、それぞれに絶妙なハーモニーで配置されており、それが活動する環境と働きにおいて、その働きの優位性(重要さ)が変わります。
先ほどの頭部前方位のケースを思い出してください。
もしくはジョギングと水泳という環境の違い(浮力や重力との関り、頭部の移動方向)を想像していただいても良いかと思います。

頭部と頸部をつなぐように存在する4つの小さな筋肉(大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)は後頭下筋群と呼ばれ、首や肩の不快感に関連する筋肉群です。

original (1).jpg

この後頭か筋群が重要だと言われているのは、首の深層にあるからでしょうか?

そうではありません。
この筋肉群は、眼球運動がおこる度に収縮し、頭部の位置を微妙に調整しています。
目を開いている間は眼球運動と共に、四六時中活躍している筋肉群です。
眼球運動を行うのが眼筋であるとして、頭視野の動きに応じて目視できないほどの細かい動きを調整するのが後頭下筋群です。
深層にあるから重要なのでは決してありません。

人間も筋肉も、ポジションや外見ではなく、どんな役割で活躍できているかを見てほしいだろうな、と筋肉を擬人化して考えてしまいました。

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