2020年05月04日

情報は無料を考え直す〜長文です!

メルマガのコンテンツを有料にしたことを「金儲けをはじめた」と感じた方がいるようです。
そこで、情報(コンテンツ)と時間の相関性について、考えてみました。

お金儲け、つまり収入を得る方法として、わたしは「サービス業」という業種の「ボディワーク」という職種を選択しました。
わたしが行う「ボディワーク」に関する業務は、セッションのみではありません。
セッションはごく一部で、講師業や執筆業でも収入を得ています。
それ以外にも多くの業務を行いますが、営業活動もそのひとつです。

この営業活動には、実際に人と交流することの他に、SNSの利用や動画作成、そして重要な「文章を書く」ことが含まれています。
ただ思うがままに書くのではなく、「ボディワーク」という自分の業務に関わる文章を書き、「狭義の」ボディワークの普及活動につなげています(自分のためだけではありません)。

さて、「書く」と一括りにしましたが、コンテンツによって、かかる時間が大きく違います。
一番時間がかかるのは、執筆、つまりは本を書く作業です。
参考文献選びや論文の検索から始まり、文章を読む時間を作り、集中して読書をする。ここまでで数か月かかります。
そのうえで内容をまとめ文章に起こし、構成を考える。
その間に編集者とのやり取りもありますし、Kindle本の場合には、自らプロのイラストレーターやカメラマンに仕事の依頼を出したりもします。
一冊の本を仕上げるために1年〜1年半ほどを費やします。

次に時間がかかるのは、セミナーに関する資料作成です。
1回のセミナー(講座)にかかる時間X3倍くらいの時間をかけて準備をします。
覚えていることを話しているように勘違いされるのですが、話す内容や、その内容の信ぴょう性を確認する作業も入ります。
資料もその度ごとにマイナーチェンジをしますが、これも「新たな知識が入る」ことによる変更で、新たな知識を得るためには情報収取が必要です。
情報は、無料のものは一切使いません。
専門書を購入し、時間をかけて読み、それを資料に反映させます。

その次に時間をかけるのは、月3回発行のメルマガです。
メルマガは「読み手の役に立つ」内容にすることを前提として書いています。
日ごろから何を書こうか考え、ぼんやりとした案が浮かんだら、それについての情報をまとめます。
わずかですが、「匿名でない」動画やサイトの情報も参考にします。時事的なコンテンツにするための工夫です。
読み込んだ本をまとめてひとつのメルマガにすることもありますが、これはとても時間がかかる作業です。

ブログは気軽に書けますが、不特定多数の方が読んでいることを前提とするので、なるべく公平な立場で公正に発言しようと意識しています。
公平であるためには、自分と相反する意見について学ぶ必要があります。

つまり、何をするにも膨大な時間と労力、そして元手がかかるのです。
片手間ではできない作業です。
個人セッションが全てではないのは、多くの時間を、仕事のための情報収集と身心の平安を保つことに費やしているからです(これが仕事のための学びに直結しているのは幸いです)。

簡単においしいところだけを拾えばよい、と考える方もいらっしゃるでしょう。
セミナーや動画でわかりやすいところだけを拾い集めてくっつけ合わせればそれが技術になる、知識になると考えるのでしょうか。
驚くことに、セミナーの割引を要求する人がいますが、自分が吸収したその知識が、多くの時間をかけた末の所産であることに気づけない、そんな残念な学び方をしてきたのだろうと思います。

話が逸れはじめましたが、メルマガのコンテンツを有料にしたのは、こうした理由からです。
時間をそれほど割かずに簡単に提供できる内容であれば、これまでどおりブログに書いてしまえば良いのだと思ったのです。

noteを利用するにあたり、有料コンテンツをざっと見て回りましたが、1コンテンツの平均単価は500円程度で、中には2000円以上のものもありました。
数百ページの技術書の相場が5000円として比較すると、動画を含まない数ページ程度と思われるコンテンツに2000円以上は出したくないと感じられ、年月をかけ症例を重ねて書かれた有料の学術論文が1500円程度で読めることを考えると安易な有料化がためらわれます。
そこで、オープンパスでは1コンテンツを200円から300円に設定しました。
有料のコンテンツはすべて、時間をかけて蓄積したコツや情報を凝縮した内容にしているので、考えようによっては安いのかもしれません(セミナーでもお伝えできる時とできないときがある内容なので)。
必要な人にとって「欲しかった情報」になるものだけを有料とし、無料で出せる内容のものは、無料で出していきたいと思います。

YouTubeに無料動画を配信している着付師やシェフにも聞きましたが、口を揃えて「本当に大切なところは無料で教えません」と。
当たり前のことです。
プロの技術をご家庭で、と謳うフライパンでシェフ並みの料理が作れるなんて考える人、いませんよね?
与えられるフライパンは同じ、そこをスタートとしてどれだけ人と違う料理がつくれるのかを研究することで、その人なりの味が生まれるのだと思います。

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***斎藤個人セッションのお申込み、新宿オフィスアクセスのご案内****
ご希望のセッションと、ご希望日を第三希望までお知らせください。
申し込みフォーム http://www.rolfingopenpath.com/contact-w79gg
斎藤瑞穂公式サイト http://www.rolfingopenpath.com/
※日曜日は講座のためセッションはお休み、月曜日は定休日です
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posted by MSaito at 16:39| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事全般
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