2018年12月24日

シシリアン・ゴースト・ストーリー

『シシリアン・ゴースト・ストーリー』を観ました。

ミニシアターで上映される映画は、大手の映画配給会社が上映するような華やかさや話題性はあまりありませんが、心にじわっと染み入る作品が多くあります。
たくさんの人に支持される娯楽性よりは作り手の世界観を楽しむような作品が多く、集まってくるお客さんたちも、エンターテイメントのひとつとして映画という選択をするのではなく、本当に映画が好きでたまらない人たちが多いようです。
一人でゆっくりと気兼ねなく見たい方たちが集まっていて、グループや子供連れがほとんどいません。
そして、映画鑑賞のマナーがすごくいい。

『シシリアン・ゴースト・ストーリー』は「1993年、イタリア・シチリア島で起きたマフィアによる12歳の少年誘拐・殺人事件を題材にした、無念の死を遂げた少年への“鎮魂歌”ともいえる作品」です。

シネマカリテの公式サイトの紹介には
「シチリアの小さな村で、13歳の少年ジュゼッペはが行方不明となった。彼に思いを寄せていた同級生のルナには、彼が突然居なくなってしまったという事実は受け入れがたく、不可解な失踪に疑問を感じる。一貫して沈黙を続けるジュゼッペの家族。誰もが彼の失踪に無関心で、何も教えてはくれない。数か月後にマフィアによって誘拐されたと判明した後にも、彼女は周囲の大人たちに抗うようにジュゼッペを探す。一方で、誘拐され長きに渡り拘束されていたジュゼッペは体力的にも、精神的にも限界が近かった。彼の唯一の救いはルナが書いてくれた手紙を読むこと。ふたりの互いを思いやる気持ちは不思議な奇跡をもたらすことになる・・」とあります。

公開初日ということもあり、97席のほとんどが埋まっていました。
上映前の宣伝なしに本編に入りましたが、劇場内は静まり返り、空気が張り詰めていました。映画のエンドロールが終わり、明かりがつくまでの2時間4分の間ずっと、この心地よい空気はそのままでした。
観客みんなが一瞬の映像も、一文の字幕も見逃したくない、そんな気持ちだったのだろうと思います。

作品は美しく、哀しく、13歳の熱情が痛々しくも懐かしく、遠い国で起きた凄惨な事件のストーリーながら、初恋の切なさと一途さが、いかに掛けがえのないものだったかを痛感しました。



今年みた映画の中で、『シシリアン・ゴースト・ストーリー』が一番好きでした。
寄せられたコメントも、嘘っぽさがなくて好感が持てました。
http://sicilian-movie.com/comment.html
『僕のエリ 200歳』は系列の「新宿武蔵野館」で見たような記憶があるので、この作品もハリウッドでリメイクされるかもしれません。
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