運動学習に先駆け、おおまかに@神経の働きA神経可塑性とソマティクスの関連B差異C差異と反射ループの4項目について講義を行いました。
神経可塑性の説明をしつつ
・客観的な意見の押しつけ
・セッション中に眠らせる
・曖昧な刺激や曖昧な動作
・主観と注意の重要性
を筆頭にいくつかの神経可塑性を妨げる要素について具体例を挙げ、ご自分のセッションを振り返っていただきました。ボディワークセッションを成功させるためには、少なくとも講義で取り上げた条件についてはしっかりとした認識を持ちながらセッションの構成立てをし、ワーカー自らの技量によりクライアントさんをセッションに参加させなくてはいけません。それができないと、結果として「運動」「エクササイズ」「リラクゼーション」や「治療」となってしまいます。
神経可塑性については、シナプスの役割についての説明をなるべく簡易に行い、また最近注目されているBDNFについても言及しました。
BDNFはシナプスの栄養素としての役割を果たします。
偶然にもトレーニング参加者の方から「有酸素運動が運動学習を高める」という情報をいただきましたが、これについてはふたつの項目を分けて理解することをお勧めしたいと思います。
心拍数を一定時間において高める有酸素運動を行うことによりシナプスの栄養素であるBDNFが排出され、陳述記憶のパフォーマンスが高まる報告がされていますが、手続き記憶が高まる報告は見つかりませんでした(つまりは「お勉強」の効率は高まるけれど「身体機能」は高まらない)。
むしろ手続き記憶を高めるためには複雑で不規則なリズムを伴う身体運動をする必要があります。
オープンパスのソマティカルトレーニングでお伝えしているソマティックエクササイズがこれに相当します。
演習の前に「差異」の定義と、それが脳と運動にどう影響を及ぼすかをお伝えしました。
午後は演習二人一組になり、これまでお伝えしてきた基礎的演習の理解度と習得度の確認のため短時間のセッションを行いました。
クライアント役の方の主訴を改善する働きかけを25分で行い、見学者の方たちからフィードバックをもらいました。
好意的なフィードバックと的確な指摘、質問が多数出ました。参加者お一人おひとりに必要なアドバイスが伝り、演習を通してご自分の理解度をチェックすることができたと思います。
今後は積み重ねのようにしてテクニックが増えていく予定です。
それに伴い、理論もお伝えしたいと思います。
引き続きがんばりましょう!

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