変化のとらえ方を観察したところ、まずは体性感覚についての知識が全くないことに驚きました。
大抵の場合、からだにどこか不具合があってボディワークのセッションを受けにいらっしゃいます。
こうしたケースでは、快・不快の有る・無いにのみ気持ちが向いているので、それ以外の質問をされると戸惑ってしまいます。
そのため、快・不快のほかに、何を基準に観察を行うべきかを予め伝えておく必要があります。
そうではない場合は機能の改善などのはっきりとした目的があっていらっしゃいます。
機能改善を求める方は、体性感覚を利用しての観察はすでに出来ているので細かい説明はありません。
実際に手技を受けてもらい、変化を感覚してもらいました。
傍目には変化は起きているのですが、本人の自覚が伴わず、フィードバックの表現もネガティブな感じです。
オープンパスメソッド(R)のトレーニングでは、インタビューの際にクライアントの傾向を把握することを伝えています。
表現が否定的になりがちなクライアントさんも中にはいらっしゃるので、前もって心の準備をしておくことで、フィードバックのコメントがネガティブであっても不必要に自己否定的にならずに済みます。
動きを使って左右差を確認してもらうと、無理やり左右を同じように、素早く、強く動かします。
変化を探そうとするときには、動きはゆっくりになり、表情に変化がおきるのが通常ですが、そうした特徴的な様子が見られませんでした。
あたかも変化が無いことを望んでいるような、変化の無さを探しているようにも見えてしまう動きでした。
こうした状況でセッションを続けるのは好ましくないので、気長に時間をかけて、スモールステップでセッションを進行させなくてはいけません。
いきなり体性感覚に働きかけず、まずは「触った感じ」「触られた感じ」などから始め、セッションに参加していただくことを最終ゴールに据えるくらいの速度で進めます。
ゆくゆくは身体に関わる仕事をしたいと考えていらっしゃるとのことなので、じっくり取り組んでいただければと思います。
